The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第4章 血のハロウィン
暫くしてから分家に到着。
住宅街から少し離れた所に聳える、本家と同じ作りの門には提灯型のライトが着いている。
明るいなぁと思いながら門を開けていけば、賑やかな声が聞こえてきた。
「もう出来てるなぁ…この声からして」
「おじさん達飲むペース早いもんなぁ」
「たぶん、おばさん達に怒られてるな……って、どうしたんですか?」
「いやぁ……なんか」
「分家も本家並に」
「家がデカイな」
「そりゃ、分家でも神澤家ですからね」
家もでかい。
というか神澤の人間は金に物言わせて家がかなりデカいんだよなぁ…でかければ良いって訳じゃないだろうに。
と思いながら溜息をついて扉を叩いた。
すると勢いよく走ってくる足音と『走ったらこけますよ!』という注意する声。
その声に俺と武道は笑っていればガラガラと音が鳴り扉が開いた。
「和泉!!よく来た!!」
「あらあら!タケちゃんもいるじゃない!久しぶりねぇ」
「久しぶり、おじさんとおばさん」
「久しぶりっス!」
「て、和泉お前その頬どうした!?」
「なになに?ちょ、和泉ちゃん!貴方ほっぺたどうしたの!?!?」
やっぱり騒がしくなるなぁ…と思っていれば、父さんの従姉妹である祐介おじさんが眉間に皺を寄せながら頬に触れてきた。
目や表情からして怒っているのは一目瞭然だ。
「勝昭か……あのクソ野郎っ!!」
「祐介おじさん落ち着いて……。あ、そうだ紹介したい人いるんだけど…良い?」
「紹介したい人…??」
話を上手く逸らせた事に安堵した。
そして俺は横に体を動かしてから、後ろにいた三ツ谷先輩と佐野先輩に龍宮寺先輩を見せる。
さてどんな反応をするのだろうか。
ここには祐介おじさん含めて4人のおじさんおばさんがいるが、顔を見れば目を見開かせていた。
「え……和泉、お前…も、もしかして…」
「取り敢えず…中に入ってから紹介するから…入ろ?」
「お、おお…」
「お、お邪魔します…」
「「お邪魔します……」」
三ツ谷先輩の声が若干緊張していた。
しかも佐野先輩と龍宮寺先輩も緊張した声をしていて、それが少し面白く感じる。
「おーい!和泉来たぞ!!」
「やっと来たか!!」
「和泉ちゃん!あらあら!タケもいるじゃん」