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The best happy ending【東リべ/三ツ谷】

第4章 血のハロウィン


今は殆ど殴られてない。
殴られないように上手く立ち回っていた訳だし、今回はちょっと油断してしまった。


「ていうか、なんで殴られたんだよ…」

「父さんに…女として生きれないかって聞いたら殴られたというかビンタ食らっただけです」

「……え」

「なんで、そんな事」

「ただちょっと思っただけですよ」


本当にちょっと思っただけ。
そう自分に言い聞かせるように心で何度も呟いていたが、三ツ谷先輩の目は変わらないまま。
怒っている…そう分かっているが半分驚いているのも感じた。

自分の事じゃないのに…。
この人は本当に優しいと微笑みを浮かべながら、三ツ谷先輩の手を取った。


「大丈夫ですよ、慣れてますから」

「慣れるのはダメだろうが……」

「そうかも、しれませんね……。ところで3人揃って何してたんですか?佐野先輩は特攻服ですし」


これ以上追求されないようにと話題を変える。
だけど普通にこれは気になってた訳だし…なんで佐野先輩だけ特攻服を着ているのだろうかと。
何かあったのだろうか。


「気を引きしめる為?」

「なんで疑問形……」

「そう言うオマエらは?何してんの?」

「俺達は今から分家の食事会に行くんですよ」

「分家に?近いのか?」

「近いは近いですよ……先輩方も行きますか?」

「え?行っていいのか?」

「構いませんよ。分家の人達、人数沢山いると嬉しいだろうし…お祭り騒ぎとかも好きですから」


人が沢山いれば居るほど騒げるからと言って、よく近所の人を招いたりしている。
これが本家との違いだよなぁとしみじみ思っていると、何故か三ツ谷先輩は緊張したような顔をしだした。


「三ツ谷先輩…なんで緊張したような顔してるんですか?」

「そりゃお前、恋人の親戚の家に行くんだぜ?緊張はするだろうよ」

「オレ…不良だけど大丈夫か?しかも暴走族だし」

「ああ、全然大丈夫ですよ。ね?武道」

「大丈夫っスよ。なんならおじさん達喜びそう」

「よ、喜ぶ?」

「ま、行けば分かりますよ。ほら、行きましょう行きましょう」


それと別の意味でも喜ぶというかお祭り騒ぎになりそう。
俺が恋人を連れてきたと知ったら恐らくうるさい…だって前に俺にもし恋人が出来たらという話題になったら、おじさん達は大泣きしたりして凄く煩くなっていたのを覚えている。
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