The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第1章 泣き虫ヒーロー誕生
11代目黒龍。
2人はその名前を持つ暴走族に入っているメンバー。
特攻隊長と親衛隊長を務めており、1年前から黒龍に入れと執拗いのだ。
「女の子なんだら、もう少しお淑やかになれよ?和泉」
「うるせぇ狐目」
下から睨めつければ、九井はまた肩を竦めながらタチの悪そうな笑みを浮かべている。
だが隣にいる青宗は眉間に皺を寄せてから、俺を見ており溜息を零した。
『初代黒龍を再興させたい』。
青宗はその願いを持ち、11代目黒龍を創り俺を初代再興の為に勧誘していた。
「あのな青宗…。初代黒龍を再興なんて出来ねぇよ」
「やってみなきゃ分からないだろ」
「無理だ。今の11代目黒龍を見れば一目瞭然だろうが。金を払った奴の所に隊員を派遣させたり、金の集金してみたり黒龍のシマに入る暴走族がいれば直ぐにノす。初代黒龍と何もかも違うだろうが」
初代黒龍。
佐野真一郎君が創り上げた今じゃ伝説の暴走族であり、鳴海ねぇはそこの取締役として在籍していた。
と言っても鳴海ねぇは最初から黒龍だったわけじゃない。
『朱雀』というレディースチームの総長であり、此方もまた伝説だった。
そして鳴海ねぇに惚れた真一郎君が20回もアタックして、付き合いだして真一郎君を支える為に黒龍へと。
「それに俺、違うチームに入るかもしれないし」
「あ"?」
「凄むなよ、短気だなお前」
「和泉、お前何処のチームに入るつもりなんだ?」
「東京卍會。幼馴染が入るかもしれないからそれに付き合うのと、誘われたからな」
そう言うと青宗の米神に青筋が浮かんでいるのが見えた。
何故俺にそこまで執着するかは知らないが、これで諦めてくれるのが1番である。
「あとな、今まで散々名前を汚してきた黒龍になんか入りたくないんだよ。どれだけ黒龍の名前が堕ちたと思う?」
「……それでも入って欲しい。和泉は、鳴海さんが大切にしていた黒龍を放ったらかしにするのか?」
「………あ"?」
青宗の発した言葉に俺も青筋が浮かんだ。
鳴海ねぇが大切にしていた黒龍を放ったらかしにするのか…それをお前が言うのかと。
「それをお前が言うのか?散々黒龍の名前を汚して堕とし
て、『八代目』の行為も止めれなかったお前が?」
「っ、それは…」
「もう話は終わりで良いか?じゃあな、青宗に九井」