The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第4章 血のハロウィン
元々和泉は分家に行く予定があった。
だが中々行く時間が合わなかったりとして、今日やっと行ける日が今日。
そして分家親族が海外へと行くこともあり絶対に行きたいのだ。
「じゃあ、オレが途中まで護衛って事で行こうか?」
「護衛?武道が?」
「役には立たねぇかもだけど…居ないよりはマシかなと」
「…じゃあ、頼もうかな。それにおじさん達もたまには武道も連れて来いって言ってたしな」
「何時から行く?」
「19時から」
「分かった!ていうか、思ったんだけどさ」
武道はふとある事を思い出した。
マイキーが一虎を殺す理由の1つになった和泉……つまりマイキーと彼女はかなり親密の中なのだろうかと。
そうじゃなければマイキーは一虎を殺す理由としないだろう。
もしかして男女の仲なのだろうか。
そう思いながらドキドキしていれば、和泉はどうしたのだろうかと首を傾げた。
「あの、さ…和泉ってマイキー君と付き合ってる?」
「は?」
「え?」
「俺、佐野先輩と付き合ってないけど」
「あ、そうなの?」
「三ツ谷先輩と……付き合ってるけど」
「え?」
「え?」
「三ツ谷君?」
「うん」
「え……」
武道の中で謎の嫉妬心が芽生えた。
いや、としても喜ばしい所もあるのだ…和泉が女性として異性を好きになり交際しているという所が本当に嬉しいのだ。
だが謎の嫉妬心がある。
「三ツ谷君と…」
「なんでそんな微妙な顔してんの?」
「なんか、すげぇ嬉しいんだよ?オマエが、誰かを好きになってオマエと恋人になって幸せにしてくれるんだなぁと思ってんだけど…」
「うん」
「なんか嫉妬心が…複雑な心境が……」
複雑そうな顔をしながらポツリポツリと呟く武道に和泉は吹きそうになった。
だがこれは笑ってはいけないかもなぁと思い、なんとか頬肉を噛みながら我慢する。
可愛いな…なんだこの幼馴染。
そう思いながら和泉は武道の頭を撫でてやれば、武道は怒ってるのかと笑いを堪えながら頭を撫でる。
「なんで頭撫でてんだよ…」
「なんとなく…ふっ…」
「しかも笑いそうになってんじゃんか」
「笑ってない…よっ……ふっ」
「笑ってんじゃねぇか!!!」
「ごめ、ごめんっ…ふふっ、ふっ」