The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第4章 血のハロウィン
幼馴染がこんなにも可愛いのかよ。
そう思いながら和泉は頭を撫でていれば、ピンポーンとインターホンが鳴る。
そんなインターホンの音に武道と和泉は扉の方に視線を投げた。
「誰が来たんだろ?」
「宅配?」
「なのかな…?」
2人は階段を降りながら、台所へと向かえば誰が玄関前に立っている影見える。
誰が来ているのだろうかと思いながら武道が玄関を開けると、そこには松野千冬の姿。
「千冬!」
「松野…?」
「よ!相棒に神澤」
まさかの来客に驚いていたが、和泉は『ん?』と眉間に皺を寄せた。
怪我の手当をされている為、硬めなどは包帯で巻かれているのだがそれが違和感という訳ではない。
呼び方である。
千冬の武道に対しての呼び方に違和感を持った和泉は、グッと眉間に皺を寄せた。
「和泉?どうした?」
「呼び方…なんで相棒?」
「ああ、それは相棒とオレが今同じ目的を果たそうとしてるから相棒なんだ!」
「ていうか、千冬どうした?」
「……相棒」
ボソッと呟いた和泉の眉間には深く皺が刻まれている。
不機嫌そうなオーラーを出しており、武道はそれに気が付くとキョトンとした。
どうして彼女が不機嫌なのか分かっていないのだ。
「和泉、どうした?」
「俺が知らない間に、随分仲良くなったんだな」
不機嫌に吐き捨てられた言葉に武道はまたキョトンとした瞬間、にゃぁと笑みを浮かべた。
そして和泉の頭を撫で始めて、その間もずっとニヤニヤとしている。
「なんだよっ」
「嫉妬してくれてんの?さっきのオレと一緒じゃーん。可愛いなぁ和泉は」
図星である。
和泉は嫉妬しているのだ…武道が知らぬ間に千冬と仲良くなっている事に嫉妬している。
元々和泉は嫉妬心が強いのだ。
しかも幼馴染である武道に対しては。
嫉妬心が強い為、千冬に対して嫉妬しているのだがそれを武道に勘づかれた事に悔しさもあった為武道の脛を蹴りあげた。
「いっ、てぇぇ!?」
「調子に乗るな、バカみち」
「酷くねぇ!?ちょ、さっきまで可愛いと思ったのにやっぱ可愛いくねぇ!!!」
「別に可愛いと思ってほしくないし。それとオマエすぐ調子に乗るから痛い目にあうんだよ」