The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第4章 血のハロウィン
白い紙袋を開いてみて、手に取った瞬間武道の口からは『あ……』と言葉が零れた。
箱に入っていたのは四葉のネックレスであり、武道な日向に送った物と一緒のモノ。
「これってオレのあげたのと一緒…」
「おそろいがいいじゃん?」
照れたように武道があげたネックレスを見せる日向に、じわりと武道の瞳には涙が浮かぶ。
彼女が亡くなった未来で、日向の母に言われた言葉…『お気に入りだったみたい。いつも大事そうに身につけてたのよ。あなたの事が大好きだったのね』という言葉を思い出す。
こんなにも大事にしてくれるのか。
それだけで泣けてきていると、日向は突然涙を浮かべる武道に驚いていた。
「え?泣くほど?」
「バッ、泣いてねーよ!!」
「ホント泣き虫だねータケミチ君」
「ありがとう、大事にする!」
涙を拭った武道は笑みを浮かべる。
その表情は随分大人っぽく感じた日向は少し驚きながらも、嬉しげに笑った。
「ウン!たまに大人の顔するよねー」
「そ…そお?」
張り詰めすぎてた武道の心がこの会話で楽になっていた。
そして、日向に挨拶をしてから武道は自分の家へと向かいながらどうやって場地と和泉を救おうかと考える。
場地が死ぬのは抗争の日で、和泉が襲われるのは抗争の3日前。
何処で襲われるのか知らない。
だがバイクで襲われたという事は、外に出ていてる時なのだろうかと考えている時だった。
「抗争の3日前……3日前って今日じゃん!?」
今日は抗争であるハロウィンの3日前。
なら今日の何時か、和泉が襲われて意識不明の重体となってしまうのだ。
どうしよう…今和泉は何処にいる!?と焦っている時…。
「武道?何1人でオロオロしてんの」
「……和泉!!」
「え、なに…叫ばなくても聞こえるけど」
「っ…和泉……!」
声をかけられて振り返れば、そこには眉間に皺を寄せて怪訝そうな顔をしている和泉がいた。
彼女を見た瞬間武道は思わず叫んでしまい、直ぐに彼女の元に駆け寄ると抱き着く。
「うわっ!?」
「良かった…良かった、怪我してねぇ……うぅぅ!」
「怪我ぁ?って、何で泣いてんだよ…どうした?あーあー…制服濡れんぞ」
「うっ…ひっぐっ!!」
「ホント、どうした?何かあったのか?」