The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第4章 血のハロウィン
こうやって煩く騒ぐのも楽しいな。
といっても武道と千堂達といても煩いけどなぁと思いながら笑い、龍宮寺先輩と佐野先輩を玄関まで見送ることにした。
雨はだいぶ弱まっているせいか、水琴窟がやけに強い音を鳴らしている気がした。
「じゃあ、またなイズミっち」
「三ツ谷!イズミっちと恋人になったのオレはまだ許可してねぇからな!」
「誰がマイキーの許可得るかよ。それならエマちゃんに許可貰いに行くわ」
「ははは……じゃあ、お2人ともお気を付けて」
「おう!三ツ谷、2人きりだからって襲うなよ」
「誰が襲うかよ!」
とんでもない事を言われたが取り敢えず黙っておいた。
こんな状況で襲ってくるような三ツ谷先輩じゃないし、まず俺が心の準備は出来ていないのだから。
でももしかしたら何時かそういう事をする時もあるかもしれない……。
なんて想像をした時少し驚いた。
何時もならそういう行為は気持ち悪くて仕方なかったのに、三ツ谷先輩と考えれば気持ち悪くない。
(いや待って……そういう想像するとか俺淫乱すぎない?)
「んじゃ、邪魔したなイズミっち」
「三ツ谷になんかされたら直ぐに呼べよ!」
「了解です。じゃあお気を付けて」
見送ってから、俺と三ツ谷先輩は部屋へと向かうことにした。
飲み終わって中身が入ってないグラスは、後で台所に持っていけば良いかと思いソファに座ろうとする前に腕を引っ張られる。
「うわっ!?」
「なんでマイキーに許可得なきゃなんねぇだよ……はぁぁぁ」
「溜息長っ……」
ソファに座る三ツ谷先輩に引っ張られたかと思ったら、足の上に乗せられていて後ろから抱き締められていた。
首筋に三ツ谷先輩の吐息が触れていて少しゾワッとしたのと同時に恥ずかしくなる。
「和泉……辛いだろうに話してくれて本当にありがとうな。和泉は嫌かもしれねぇけど、和泉の事もっと知れて嬉しかった」
「三ツ谷先輩……」
「というか、マイキーが兄貴とか嫌だなぁ。お義兄さんとか呼びたくねぇ……」
スリスリと首筋に三ツ谷先輩が頭を擦り付けてくるので、それが擽ったくって体が震えた。
三ツ谷先輩のふわふわとした髪の毛が首筋を撫でてくるのが本当に擽ったいけど、同時にふわふわしたのが気持ち良い。