The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第4章 血のハロウィン
部屋に入れば、いつも通りの少し薄暗い部屋が広がっている。
日光があまり入ってこなくて、それも選んだ1つであり丁度日光が嫌いな俺には適した部屋。
電気を付ければ少し眩しくて何度か瞬きをした。
「部屋広いな……。マイキーの部屋と同じでソファあるし」
「冷蔵庫もある」
「……本棚、デカイな。全部本?」
「漫画もありますよ。まぁ、殆どミステリー小説と可愛げの無い本ですけどね」
仕事に関する本とか面白くもない本もある。
全部家を継ぐ時の為にと勉強する為に購入した本とか、変にお節介な本家親族から渡された本。
全部読んでるけどもう飽きたものばっかりだ。
なんて思いながら小さめの冷蔵庫から、ファンタグレープを取り出して隣にある棚からグラスを四つ取り出す。
俺が基本部屋から出ないので、冷蔵庫とかも備え付けてあるのだ。
「……写真いっぱいあるんだな」
「それ、殆ど鳴ねぇが撮った写真ですよ」
「お、タケミっち居るじゃん。和泉も小さいな」
「それ小学校の時ですねぇ」
「お、ランドセル」
ベットの近くにある棚には写真立てと、ボートに貼り付けられた写真が沢山ある。
殆どが鳴ねぇが撮った写真であり、特に好きな写真とかを飾り付けているのだ。
「半間も…いるんだな」
「幼馴染、ですからね……」
「この時から可愛げのねぇ顔してんだな」
「もう少し小さい頃は可愛かったんですよ」
可愛げもあったけど、やっぱり小さい頃も意地の悪い時はあったなと思い出しながらグラスにファンタグレープを注いでから机に置いた。
向かい合うよに置かれたソファとその間に置かれた机は、分家の親族から貰ったもの。
そして写真を見ていた三人はソファに座る。
佐野先輩と龍宮寺先輩が目の前のソファに座り、三ツ谷先輩は隣に腰掛けた。
「そんで、イズミっちが言ってた見殺しってどういうわけ?罪を償うって何?」
「……佐野先輩、結構唐突に聞いてきますね」
「すげぇ、気になったから……」
「そうですね。まぁ、ここに来たのもその話をする為でしたもんね」
グラスを持ってから1口ファンタグレープを飲む。
シュワシュワした炭酸が喉を刺激して、少し痛く感じながらも飲み込んでから机にグラスを置いてから何処から話すべきだろうかと考える。