The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第4章 血のハロウィン
三人は戸惑いながらも俺の後ろをついてきた。
まぁ、三ツ谷先輩と龍宮寺先輩が送ってくれた時に家まで送ることを拒否してたから驚いたのだろう。
拒否してた理由は家の連中と遭遇させたくなかったからなのと、今は丁度家の人間全員いないから。
そして暫く歩いていけば、無駄にデカくて阿呆みたいに広い自分の家の門に到着。
先輩三人は少し驚いたような顔だった。
「門、デカ……」
「佐野先輩のお宅もでしょ」
「確かに、マイキーの家の門も立派だよな……」
「でもこの門結構古そう…」
「戦前からの家ですからね。改築は何回かしてますけど」
「「「戦前!?」」」
「一応……平安からあったらしい家系なんで。まぁ、ただの古臭い家ですよ」
そう言いながら門を開けて、無駄に長い玄関までの道を歩いていれば三人はキョロキョロとしていた。
物珍しいという顔をしているのが少し面白くて、小さく笑ってから玄関の鍵を開ける。
玄関は佐野先輩の家と同じく横にスライドさせるタイプだ。
「玄関広っ……」
「……うわぁ。旅館かよ」
「本家の親族だけで10人以上で住んでるから無駄に広いんですよ」
「すげぇな……」
「こっちです」
俺の家は母屋と離れがある。
母屋は主に親族の部屋と客室に無駄に広い居間、父さんの書斎や監視カメラを見る部屋と後は色々。
そして離れも親族の部屋とかあるけれど、俺は母屋の隅っこの部屋で生活している。
親族達が来ないような隅の部屋。
そこが1番静かで1人でいると落ち着く場所だった事もあり、そこを選んでいた。
「廊下、木のいい匂いがするな」
「確かに……。あと、この音なに?」
「ずっとなんか聞こえてくるけど…」
「水琴窟です」
「す、すいきんくつ?」
「日本庭園にはよくある装飾の一つで、手水鉢の近くの地中作った空洞に水滴を落下させてその時に発される音を反響させる仕掛けがされてるものなんですよ」
「へぇ……綺麗な音だな。ていうか庭広いな…」
部屋を行く途中に長い廊下があり、外には無駄に広い庭が広がっている。
そこに手水鉢があって近くに水琴窟があるのだが、あれは確かお爺様が曾お祖父様の趣味だったと聞いていた。
「ここが俺の部屋です」
「結構端なんだ……」
「親族のうるさい音が遮られる所なんで。どうぞ」
「お、お邪魔します……」