The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第4章 血のハロウィン
違う…おばさんは望んでなんかいない。
ただ俺が迷惑かけた分、おばさんが望んでいた『本家も分家も仲良く』というのを現実にしたくて跡取りになればそれが出来ると思って…。
恩返しがしたかったから、男として跡取りとして家を継ぎたかった。
「俺がおばさんを殺したから……せめて……」
「お前が殺した訳じゃねぇだろ。それは違ぇだろ」
「でも、男じゃないと跡取りとして家を継げない。罪を償う事が出来ない……」
「それを変えればいいじゃねぇか。罪?オマエは何もしてねぇだろ」
「……それを簡単に出来れば楽だよ、そう思えたら楽だよ」
「出来ればじゃねぇだろ。お前、やろうとしてねぇじゃん。抗う事がそんなに怖いのかよ。オマエは何もやってねぇだろ」
「っ……けーすけくんが、俺の何が分かるわけ…!」
見透かされたように言われた事が、そしてけーすけくんの言葉が図星でつい声を荒らげてしまった。
確かにそうだ…俺は家に父さん達に抗うのが怖いから抗う事が出来ない。
それにもし抗えば…父さんと交わした約束が、約束が破棄とされてしまうかもしれない。
あの約束を破棄されてしまえば…そう考えれば考える程怖かった。
「分からねぇよ、オマエの事なんて。ただオレが知ってるオマエは……本当はただの強がりって事だけだ」
「……強がり…」
「オレは、オマエがただありのままの自分でいてくれた方が良い」
ありのまま。
そういえば俺のありのままの姿ってなんだっけ…もう偽りすぎて分からなくなっていた。
どれだけ偽ってきたんだろう。
「けーすけくんは、意地の悪い事ばっかり言うな……」
「あ?そーか?」
「そうだよ…。じゃあ、もし俺がけーすけくんの言う通りにしたら……東京卍會に戻ってきてくれる?」
「……あ?」
ずるい事を聞いたのは分かってる。
だけどもしこれで揺らいでくれたら良いのにと思いながら、薄く笑ってけーすけくんを見つめた。
こんな質問をしたらけーすけくんはどんな返事をするのだろうか。
「………戻ってきてくれないわけ?」
「オマエ、狡いな」
「確かに俺は狡いよ。でも、こう言わなきゃけーすけくんは戻って来なさそうじゃんか」
「………オレは東卍には戻らねぇよ」
「……そう言うと思った」
元々期待なんてしていない。
けーすけくんが戻ってくるつもりはないのは分かっていた。
