The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第4章 血のハロウィン
その言葉を聞きながら三ツ谷先輩を見上げると、顔を赤くさせて興奮したような熱っぽい瞳を向けて来てることに心臓が強く跳ねた。
自分に対して興奮している事に恥ずかしくなってくる。
「目、すげぇトロンとしる…」
「そう…ですか?」
「ん、可愛い…。この顔見れてるのはオレだけだと良いけど…」
「修二としたキス、こんな気持ち良くなかった…です」
ただただ無心だった。
好きな人としたからこんなに気持ち良くて心臓が痛い程、そしてうるさいぐらいに動くのだろうか。
そんな事を思っていれば唇を親指の腹で撫でられた。
まだふわふわする…。
そう思いながら荒くなった呼吸を元に戻そうと深呼吸を繰り返す。
すると三ツ谷先輩はずっとウィッグの髪の毛に触れたり、頬に触れたりと。
「あ、あの…さわ、触りすぎじゃ…」
「嫌?」
「いや…じゃないんですけど」
「折角両思いで恋人になれたんだ…。触りたいだろ?」
「……三ツ谷先輩って色々狡いですよね」
「え?狡い??」
狡いだよ…毎回毎回。
言葉とか全部が狡くて困ると思いながらそっぽを向いてから、さっきから自分のペース乱されてる事に気が付いて少し唇を噛んだ。
「泊まる?今日」
「え……や、1回家に帰ります…」
明日は家の人間は全員軽井沢へと向かう。
向こうにいる本家の人間たちと久しぶりに会って夜会等をするらしいが俺は行きたくないという事で不参加。
だけど父さんと母さんを見送りぐらいはしないとならない…本当は嫌だけど。
なので一旦は帰らないとダメ。
吉塚さんや他の住み込みのお手伝いさんにも休暇を出さなきゃならないし。
本当は泊まりたいけど…。
「そっか……じゃ、家まで送っていい?」
「……良い、ですよ」
「良いの?前嫌がってたけど…」
「この時間帯なら、親族は大体寝てるんで……」
「ん、じゃあ送る準備するな」
三ツ谷先輩は額にキスをしてくると、そのまま洗い物を終わらせるからと台所へ。
そして俺はキスされた額に触れながら、足の間に顔を埋めて悶絶。
本当に甘すぎる!!!この人恋人になったら更に甘くなった気がする!!
そんな風に心の中で叫びながら、熱くなった頬を涼しめる為に両手で仰いだ。
(でも、恋人になれるなんて思わなったから…嬉しい反面戸惑いが凄いな……。それと恥ずかしい…)