The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第4章 血のハロウィン
「なぁ聞いていい?」
「なんですか?」
「オレの何処が好きになった?」
コテン…と首を傾げながら聞いてくる三ツ谷先輩の目は少し意地の悪いように見えた。
優しいけどやっぱりこの人意外と意地の悪い性格をしているよなと思いながら、ジト〜と見る。
そんな恥ずかしい事言える分けないだろう。
なんて思いながらそっぽを向けば、三ツ谷先輩からは笑い声が聞こえてきた。
「恥ずかしい?」
「分かってるなら言わせようとしないでくださいよっ!」
「あははは!可愛いなぁ和泉は」
この人両思いと分かった瞬間声のトーンが甘くないか!?と困惑しながらふと思い出した事があった。
俺、修二に何回かキスされているな……と言うことを思い出してから若干焦る。
(これ言った方がいい?いや、黙ってた方が良いのか?でも隠し事してない方が…)
だが三ツ谷先輩にしたら嫌だよな…。
他の男とキスした事あるなんて言われたら…でも隠していた方がもっと嫌かもしれない。
悶々と考えていれば三ツ谷先輩が首を傾げていた。
「どうした?」
「……あ、あの…。三ツ谷先輩が気分悪くなるかもしれないんですけど…」
「ん?」
「実は俺…他の男とキスした事ありまして」
「……へぇ?誰と?」
一気に声のトーンが暗くなり思わず肩が跳ねた。
これ完全に怒ってるよなと思いながらも、話題を持ち出したなら言わなければならないと息を飲んだ。
「その、修二と……」
「修二…半間修二と?」
「はい……。アイツは多分遊びてしてきたと思うんですけど…隠すのも嫌だなと思って。すみません…」
「まぁ、付き合う前の話だしな」
「付き合う……」
「付き合うって言う言葉に照れてんの?可愛いなぁ…」
「あ、あの…あまり可愛いとか言わないでください……。慣れてないから…」
顔がずっと熱い。
そして耳が溶けそうな気がして思わず両手で耳を塞ぐようにしていれば、三ツ谷先輩は歳不相応な笑顔を浮かべていた。
何処か妖艶な背筋がゾクッとするような笑みだ。
「和泉って…煽るの上手いんだな」
「あ、煽る?」
「煽ってる。別に気にしねぇよ、半間との事は。アイツとのキス忘れるぐらい、キスすれば良いだけの話だしな。というか半間からどんなキスされた?」
「ど、どんな?」
「そ、どんな?」