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The best happy ending【東リべ/三ツ谷】

第4章 血のハロウィン


数回頭を撫でてから三ツ谷は部屋を出ていき、その場には顔を赤くさせた和泉だけが取り残された。
流石にあの距離は辛すぎると思いながら、赤く火照った頬に冷えてしまっている自分の手を当てる。


「あの人…心臓に悪い……」


その場にしゃがみこみ、顔を隠すかのようにスウェットに埋めこんだ和泉はスウェットから香る三ツ谷の匂いに更に赤面してしまう。

いちいち心臓に悪い男。
そう思いながらなんとか頬の赤みを消してから、スウェットに着替えて居間へと向かった。


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ー和泉sideー


「和泉お姉ちゃん!!」

「ルナマナちゃん…」

「ん、着替えた?ワイシャツ貸して」

「あ、はい。お願いします」


血に濡れたワイシャツを手渡してから、ルナマナちゃんに引っ張られるように座った。
すると目の前に旗付きオムライスとオニオンスープが置かれて、何故旗が??と首を傾げる。


「旗……」

「マイキーのついで」

「……ああ、なるほど」


そういえば夏に武道とで龍宮寺先輩を尾行した時、ファミレスで佐野先輩お子様ランチに旗が着いていないと騒いでいた事を思い出した。
さっきまで大人っぽく見えたが直ぐに年相応というよりも、子供っぽいなと目の前でオムライスを頬張る佐野先輩を見る。

あの時佐野先輩は真一郎君みたいだったのを思い出す。
そして佐野先輩の言葉全てが、荒れていた俺の心をゆっくりと落ち着かせていた。
不思議なぐらい今はなんとか落ち着いている。


「和泉、冷める前に食べちまえよ?」

「あ、はい。いただきます」

「ん〜!!三ツ谷のオムライスうめぇ!!」

「そりゃ、なによりだわ」


スプーンを手にしてから、オムライスを掬うとトロトロとした卵と一緒にケチャップライスが乗る。
口に運べば甘く優しい味がして、更に心が落ち着いた気がした。


(美味しい……)


心が温まる味。
そんなオムライスを食べていき、時間は過ぎいていったその頃には荒れに荒れていた心は最初から荒れていなかったようなぐらいに落ち着いていた。

食べ終わって直ぐに龍宮寺先輩は、『満腹になったらコイツ寝るから』と言って佐野先輩を引き摺って帰っていきルナマナちゃんは就寝。
今には俺と三ツ谷先輩だけがいる状態となった。
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