The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第4章 血のハロウィン
「ただいまー!!三ツ谷、飯〜!!」
「戻ってきて早々の言葉がそれかよ…」
「お邪魔します……」
扉を勢いよく開けたマイキーと少し沈んだような声で入ってくる和泉。
そんな二人をドラケンと三ツ谷は迎え入れたが、直ぐに三ツ谷は和泉の目元が赤いのに気付いた。
「三ツ谷、この匂いオムライス!?」
「ん?ああ、そうだよ。マイキーは食べる前に手ぇ洗ってこいよ。そんで和泉は着替えような」
「え?」
「肩のやつ、血抜きするから」
肩に染み付いた千冬の血。
早めに落とさなければと思い、三ツ谷はマイキーを洗面所に向かわせてから和泉の手を取り部屋に向かう。
その時に掴んだ手はやけに冷たかった。
そして自分の上下のスウェットを取り出してから、和泉に手渡そうとしてから顔を覗いた。
赤くなった目と少し沈んだ顔。
「和泉」
「…はい?」
「辛い時はちゃんと言ってくれよ?役には立たねぇかもだけど、話ぐらいは聞けるから」
三ツ谷は少し微笑むと、和泉の頬に自分の手を添えてからゆっくりと撫でてやる。
すると和泉は気持ちよさそうに目を細めていた。
「ありがとうございます…三ツ谷先輩」
「ん。着替えたらそのワイシャツ貸してくれよ」
「これ、落ちるんですか?」
「多分落ちると思うけど…絶対とは言えねぇなぁ。もし落ちなかったらごめんな」
「いや、そんな…三ツ谷先輩が謝る事じゃないですから!」
ワタワタと焦りだした和泉に思わず吹いた三ツ谷は、笑いながらも手を伸ばしてから彼女の後頭部に手を回す。
そして自分へと引き寄せてから額同士を合わせれば、至近距離にお互いの顔が近付いた。
三ツ谷は和泉の夜空の様な瞳をみながら、そこに自分が写っている事に何故か嬉しくなる。
そして和泉本人は至近距離の三ツ谷の顔に赤くなりそうになりながら、それを必死に抑えていた。
「み、みつや…せんぱいっ…?」
「和泉、オレの前でも泣いていいからな」
「え?」
「というか泣いてほしい。我慢しないで、頼ってほしいから…。マイキーが居ない時でも良いから」
「三ツ谷、先輩……」
「頼りねぇかもしれないけどな。んじゃ、着替えたらこいよ?オムライス冷めちまうから」