The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第4章 血のハロウィン
困惑している表情とオドオドとした目。
まぁ気が付けば病院にいるし手当されてるだから、驚くにも無理ないかと溜息をついた。
「怪我の具合はどうなんですか?」
「目の所とか口元、口の中は少し酷いかな。また様子を見る為に1週間後来てね」
「松野、1週間後来いよ」
「え、あ、う…うん?」
「取り敢えず薬は出しておくね。あまり無茶な喧嘩とかせずにね。お大事に」
「ありがとうございました。ほら、松野行くぞ」
「え、あ、おっおう」
困惑したままの松野を連れて、病院の会計をする為に待合室のソファに腰掛ける。
隣に座っている松野はまだ驚いているのかオドオドしていて、今日の昼会った時とは違うなと観察した。
昼会った時は威嚇したような犬。
だが今は知らない場所に連れてこられて驚いている猫のようで、少し面白く感じた。
「お、オレ…なんで、ここに。というかなんで神澤が…」
「お前、覚えてないの?けーすけくんに踏み絵にされて殴られてたの」
「…………あ」
「俺は武道……花垣武道と羽宮一虎に連れられて、芭流覇羅のアジトに行ってた。そしたらお前がけーすけくんに殴られてて、まぁ…色々あって放置も出来ないから病院まで運んだんだよ」
「……そう、だった。そうだったんだな、わりぃ…ありがとう」
「別に……」
色々疲れたな。
松野を運んだのもそうだけど、頭がいっぱいっぱいになり過ぎたりして疲れた。
そう思いながらソファの腕おきに縋るように脱力する。
「……なぁ、花垣って確か場地さんに殴られてた奴だよな」
「そうだけど…」
「花垣の家って何処」
「なんで?」
「…何となく」
「何となく…ねぇ。まぁ、いいけど」
突然どうしたのだろうかと思いながらも、武道の住所を教えれば松野は携帯をカコカコと音をたてながら恐らく武道の住所を打ったのだろう。
そんな松野を眺めていれば、会計が終わったのか呼ばれたのでソファから立ち上がった。
「あ…支払いっ!」
「良い、俺がしとくから」
「え、いや…でも」
「金持ってんの?」
「……持ってない」
「じゃあ座ってろ。お前怪我人なんだし」
財布も持ってないのと、持っていたとしても払える金額じゃないだろう。
なんて思いながら支払いを済ませると直ぐに隣の薬局に向い薬やらを貰ったりとした。