The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第4章 血のハロウィン
「いいんだな?場地。オレ達は東卍を潰す。そしてマイキーを殺す」
羽宮先輩の言葉には重みがあった。
冗談なんかで言っている訳じゃない…本気で佐野先輩を殺そうとしていると声のトーンで分かる。
何故…そう思いながら羽宮先輩の顔を見ていれば、けーすけくんが羽宮先輩へと頭を下げていた。
「ああ。力を貸すよ一虎!」
「……けーすけくん」
「よーし。本日をもって場地圭介を芭流覇羅の一員とする!!!」
「嘘だろ…!?」
「チッ…」
周りがうるさいほどに叫び出す。
けーすけくんをあわよくば連れていこうと思ったが、完全に失敗した。
完全に芭流覇羅入りしてしまった今、彼を芭流覇羅から連れ戻すのはかなり難しい。
無理に連れ戻そうとすれば下手したら抗争が早まる。
だが連れ戻さなければ、稀咲は東卍に居座り未来での最悪な自体が起きてしまう。
「ちょっと待ってください!場地君はマイキー君達と東卍を創ったメンバーなんスよね!?」
「東卍の創設メンバーだから、東卍を裏切らない?冗談言うなよ。一虎も創設メンバーの一人だぜ?」
「……え?」
「やっぱりか…」
あの写真に写っていた6人目がやっぱり羽宮先輩だったのだ。
まさかの創設メンバー二人が、東卍の敵に回るなんて最悪な状況。
だが何故創設メンバーの一人である羽宮先輩が敵に?
「一虎は東卍を恨んでんだよ」
「は?」
「忘れもしねぇ…2003年の中1の夏だ。オレ達はハシャいでた。夏真っ只中なのに、少し肌寒い日だった」
ゆっくりとけーすけくんは昔話を語り始めた。
だがその昔話は頭が真っ白になりそうで、頭痛と吐き気までしてきて思わず手で口を抑える。
血の気が引いているのか、どんどん体は冷たくなっている気がして吐き気までしていた。
信じらない言葉がどんどん耳に入っていく。
その言葉は泥のように、ぬるっと入ってきて体を覆い尽くしているような気がした。
「はっ、……う、そ…だろ…」
「嘘じゃねぇよ。和泉……オレと一虎が真一郎君を殺したんだ。マイキーの為にバイクを盗もうとしてな」
「……なんで…なんで、なんで真一郎君をっ!!!」
「和泉、マイキー君のお兄さんと知り合い、なの?」
「知り合いもなにも…真一郎君は、真一郎君は鳴ねぇの恋人だったんだよ!!!!」
「なっ…!?」