The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第4章 血のハロウィン
不貞腐れたようにいうけーすけくんに修二は笑顔を浮かべているだけ。
そして視線が俺に向いてから一層その笑みを深くしている…何かを企んでいるような気がするその笑顔は気味が悪い。
すると修二は羽宮先輩へと視線を投げた。
「一虎ぁ!!」
「ハーイ」
「用意できた?」
「うん。コイツらが」
「え?」
「花垣タケミチ、神澤和泉。東卍の新メンバー」
もしかして呼ばれたのは、俺らを次の踏み絵にでもするつもりだからなのか。
一瞬そう思ったが新人の俺らを踏み絵にしても恐らく意味は無い…ずっとけーすけくんの側にいた松野だから踏み絵にされただけ。
俺のただの推測だけど…。
そう思っていればいつの間にか目の前に修二が立っていて、思わず武道を庇うように前に出た。
「へー。オマエが花垣?和泉と一緒に前に出ろ!」
「何、企んでるんだ?オマエ」
「さぁな?」
茶化すような口調に腹が立つ。
だが言われた通り2人で前に出れば、けーすけくんは武道の存在に気付いてなかったようで武道を見るなり少し驚いたような表情をした。
「テメー…この前の…。殺されに来たのか?」
「っ……」
けーすけくんの言葉に武道から緊張が伝わる。
のこのこ着いてくるんじゃなかったな…なんて今更後悔してしまい溜息が出た。
そして目の前にはまるで証言台のような場所が設けられていて、目の前には少し段差のある場所に修二が立っている。
「これより“証人喚問”を始める!!」
「証人喚問……?」
顔に刺青のある男が叫ぶなり、あちこちに散らばっていた芭流覇羅のメンバーが集まりだした。
まるで1種のショーみたいだな…なんて我ながら呑気な考えをしているなと思いながら何が始まるのかと考える。
踏み絵ではない事は一先ず安心。
だが証人喚問で何を聞かれるのだろうか、何を言わされるのだろうかと考えれば考える程眉間に皺が寄った。
「東卍の創設メンバーで壱番隊の隊長、場地圭介!コイツが『東卍を捨てて芭流覇羅に入りたい』と言ってる!」
修二の言葉に周りがざわつき始める。
そのざわつきに、何でここに東卍の特攻服を着ている人間がいるのか分かってない奴が殆どなんだろうと分かった。
何故けーすけくんがここに居るのか知っているのは極わずかだったという事か。