The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第4章 血のハロウィン
冷や汗のような物が出てきた。
けーすけくんは一体誰を殴っているのだろうかと思って見ていれば、相手は東卍の特攻服を着ている。
しかもその殴られている人間は……松野だった。
「何やってるんだよ!!けーすけくん!!!」
「……和泉」
「ちょ、和泉!!??」
慌ててけーすけくんを押してから松野から退かしてから、直ぐに顔に手を翳した。
弱くだがちゃんと息はしているが、顔は殴られたせいで赤黒くなっている。
だが気は失っている。
どれだけ殴られていたか分からないし、医者じゃない俺が見たって怪我の具合は分からない為焦りが出てきた。
「松野、おい松野!!松野!!!」
「ぐっ……っ」
「あれ?ソイツ和泉の知り合いなの?」
「か、一虎君…踏み絵って……」
「場地の“信仰”を試してんだよ。東卍から芭流覇羅に“宗旨替え”するならそれなりの覚悟が必要だろ?今さっき場地が殴ってたのは東卍の壱番隊副隊長。場地の一番の腹心だ」
「壱番隊の副隊長!?」
その腹心を殴れるかどうかで試した訳か。
けーすけくんが完全に東京卍會から芭流覇羅に宗旨替え出来ているのかどうかを。
踏み絵と称しての試しじゃないか…こんなの。
「東卍は芭流覇羅の敵。“神”を裏切るなら信じる“絵”を踏まねぇとなぁ」
「イカれてる……」
今まで聞いた事がない。
自分が今まで居たチームから、他のチームへと行く人間は見た事もあるし知っている。
だが“踏み絵”なんてなかったし、こんな事をさせているのも見た事がない。
このチーム…芭流覇羅は完全にイカれてる。
やっぱりこの羽宮一虎は異常者であり、その踏み絵を行ったけーすけくんもおかしい。
「どうよ。これで認めるだろ?半間クン。オレの芭流覇羅入り」
修二の苗字に眉間に皺が寄る。
そしてけーすけくんの視線の先を見ればそこには、俯き座っている修二の姿があった。
どのぐらいぶりの修二の姿…前は嬉しかったかもしれないが、今は何とも思えない。
そして修二ゆっくりと顔をあげるとけーすけくんを見て、そして俺を見るなり笑みを浮かべた。
気味の悪い何を考えているか分からないような笑み。
「スゲーなオマエ。ソイツずっと側にいた奴だろ?」
「よくそこまでできるね?」
「ンだよ…。説教聞きに来たんじゃねぇゾ」