The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第4章 血のハロウィン
「タ…タ…タケミチ、神澤!!出た!!」
「タケミチ?神澤?」
「は?」
「なに?」
出たってなんだよ。
そう思いながら怪訝そうな顔をしながらも、何故この虎の刺青の男は俺と武道の名前を知っているのだろうかと不思議に思った。
会ったことが無い先輩が俺らの名前…しかもフルネームで普通知っているだろうか。
それとも誰が教えたのだろうかと思っていれば、山岸が焦った顔のままで叫んだ。
「この人が芭流覇羅のNo.3の羽宮一虎だ!!!」
「羽宮…」
芭流覇羅の人間が何しに来たのだろうかと思い、椅子から立ち上がった瞬間であった。
羽宮一虎はこちらに駆け足で寄るとそのまま俺と武道を抱き締めてきたのだ。
「わーーー!!うれしー!!オマエ、タケミチと和泉だろ!!」
「お?」
「ん?」
「同中の一コ下に東卍のヤツがいるなんて!!よし!タケミチ!!和泉!!」
「「え?」」
「芭流覇羅のアジト行くぞ!!」
「へ?芭流覇羅?」
「は??」
意味が分からなすぎてついて行けない。
突然抱きしめられると、何故か嬉しそうにされるだけではなく挙句の果てには芭流覇羅なアジトに行くぞ???
この人マジでなんだと思いながらも、俺と武道は腕を掴まれて廊下に連れて行かれていた。
「おい!タケミチと和泉いたぞ!」
「ん?」
「ソイツらっすか?」
「おう」
「え?」
廊下に出れば、何故か松葉杖を付いて顔や額にはガーゼを貼られた男が二人いた。
制服を着ているので先輩かそれともタメか後輩か…そう思いながら怪訝そうに男2人を見る。
何でコイツらこんなボロボロなんだろう。
折られたような足と殴られた形跡…敵にでもやられたのだろかと思いながら首を捻った。
「どちらさまですか?」
「ん?オレの一番信頼してる後輩」
「へ…へー」
「一番信頼してる、後輩…」
「なにかあったんですか?2人とも松葉杖…」
「ん?昨日オレが折った」
「は?」
今、サラッととんでもない事言ったぞこの人。
自分で一番信頼している後輩の足を普通折るだろうか?異常者なのだろうかと思わず目を見開かせる。
普通ならまず後輩の足なんて折らないだろう。
「え?一番信頼してる人なんですよね?」
「うん」
「信頼してるのに折ったんですか?」