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The best happy ending【東リべ/三ツ谷】

第4章 血のハロウィン


芭流覇羅のように、力が欲しくて金が欲しくてあわよくば権力と地位も欲しくて『自分のチームに入れ』と言ってくる奴はよくいる。
だが元々俺は鳴ねぇのチームと初代黒龍以外の不良は嫌いだったからもちろん断っていた。

だが意外と執拗いもので、断っても断っても蛆虫の如く湧いては勧誘される。
でも東京卍會だけは、佐野先輩だけは違ったから東卍になら入ってもいいかもしれないと思った。


「そういえば神澤。お前、半間修二と幼馴染なんだってな」

「そうだけど」

「なんか聞いてねぇの?半間から」

「最近連絡取ってなかったから分からないけど…前に修二が『この先東京卍會に明るい未来は無い』とは言ってたな。その言葉の意味は教えてくれなかったけど」

「明るい未来…」

「山岸。修二は元愛美愛主と反東卍勢力全てをまとめたわけ?」

「いや、違う」


山岸はゴクリと生唾を飲んだ。
そして何故か緊張したような顔をしていて、どうしたのだろうかも首を傾げる。


「元愛美愛主をまとめたのがNo.2の半間…。その他の反東卍勢力をまとめたのがNo.3の羽宮一虎だ」


ガラッ…と山岸の言葉と同時に教室の扉が開いた。
その音に驚いて視線を扉の方へと向ければ、見知らない顔の男が立っている。
派手な金髪と黒が混じった髪の毛、少し垂れた目と目元にあるホクロ。

コイツ誰だ。
そう思いながら目を細めていれば、男はキョロキョロと教室内を見渡していた。
まるで不思議そうに驚いたように。


「あれ?もしかしてもー学校終わってる?」

「なんだテメー?見ねぇ顔だな」

「いきなりタメ口って!一応同中の先輩なんだけど」

「は?誰だよ見た事ねぇし」


山本は立ち上がると、イキった言葉で相手を威嚇するが見知らぬ男は苦笑を浮かべるだけ。
だが先輩だとしても見た事がないし、こんな先輩いれば噂ぐらい耳にするはず。
そう思っていれば山岸が驚愕した表情になった。


「首に虎のタトゥー」

「首にタトゥー?」

「やめろマコト!!」

「あ?なんだよ山岸」


焦りだす山岸に全員が不思議そうにした。
何をそんなに焦っているのだろうかと思いながら、山岸の背中を見ていれば虎の刺青をした男が首を傾ける。
するとリンッという鈴の音が聞こえた。


「ねぇねぇ。花垣タケミチと神澤和泉って知ってる?」
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