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The best happy ending【東リべ/三ツ谷】

第4章 血のハロウィン


「けーすけくん」

「あ?」

「東卍に戻ってこないの?」

「…戻らねぇよ」

「………そっか」


これは連れ戻すの難しそうだ。
戻ってきてと言ってしまえば、戻って来てくれるだろうか。
だけど今言ってもきっとけーすけくんは『戻らない』としか言わないだろう。

計画を立てて連れ戻さなければ。
佐野先輩にバレないように、武道と一緒に連れ戻そう…そうしようと決意した。


「じゃあ、俺行くね。お邪魔しました」

「和泉」

「ん?」

「あんまり自分を偽るなよ」

「………偽ってないよ。俺は何も」


偽ってなんか無い。
そう笑みを浮かべるがけーすけくんは眉間に皺を寄せたままだった。
だけど何も言わずにただ見送ってくれて、俺はゆっくりと階段を降りていく。


(偽るな…か)


俺は俺だ。
何も偽ってない……そう思っているけれども、偽っているのかもしれない。
分からない…分からないけれどけーすけくんの言葉が頭から離れなかった。


「あ?お前…」

「ん?」


階段を降り終わり、歩こうとすれば声が聞こえて視線を目の前にやれば知っている顔があった。
金髪に緑葉の瞳をした男…壱番隊副隊長の松野千冬が目の前に立っている。


「お前、確か場地さんの幼馴染の神澤…」

「松野か……」

「お前、なんでこんな所にいるんだよ」

「けーすけくんの家に行ってたから。お前こそなんでここに?」

「オレの家、この団地なんだよ」

「へぇ……」


愛想悪いなコイツ。
というか愛想が悪いだけじゃなくて目付きも悪いし、けーすけくんといた時に会った時とは全く違う。
もしかしたらけーすけくんにしか懐いていない感じなんだろうか。
まぁどうでもいいし早く学校に行かなきゃと思い歩き出した。


「じゃあな、松野」

「……神澤」

「あ?」

「場地さんは東卍に戻るとか言ってたか?」

「いや、言ってなかったし戻るつもりはないってよ」


それだけを言ってから数歩歩いてから後ろを振り向けば、松野は何処か泣きそうな顔で俯いている。
アイツもけーすけくんに戻ってきてほしいんだなと思いながらも、声はかけずにその場を去った。

けーすけくんを東卍に戻すのは難しいだろう。
それが松野だとしても、俺だとしても……かなり難問だなと思いながら武道と会ってから計画をたてることにした。
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