The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第4章 血のハロウィン
「ある…ちょっと待って」
ゴソゴソとけーすけくんはファイルを取り出してから机に置き、俺はそれを手にしてからページを捲る。
綺麗にされているテストを見ていれば、視線を感じてけーすけくんを見れば何処か緊張している表情。
そして俺はテストを見ていく。
点数とか見れば何が最も苦手なのか分かるだろうと思い、ページを捲っていき全部見終えたあとファイルを机に置いた。
「ほとんど赤点……」
「……おう」
「しかも1桁点数…」
「……おう」
「0点も結構あるし」
「……おう」
殆どが赤点で、しかもかなりの計算ミスや意味わからない回答をしていたりしている。
これは本当に凄いなと思いながら、ノートを貸してもらってけーすけくんが1番よくミスる問題を書いていく。
「でもアレだね。理科とかの生物系は点数が良い」
「だろ!」
「けーすけくん、動物好きだもんね。理科は頑張れば良い点数がもっと取れると思うよ。取り敢えず、数学の1番ミスしてる計算ともう1回掛け算とか割り算復習しようか」
「おう!」
まず割り算と掛け算を復習させないと…。
計算ミスのところ、恐らくほとんど掛け算が出来てないからだと思うし。
そして簡単に掛け算の問題式を作ったり、分からない問題を教えたりしていった。
「これで、こうか!」
「ん、正解」
「和泉おまえ、センコーより教え方上手いな!」
「そう?」
「おう!」
するとグゥーとけーすけくんの腹が鳴る。
ふと携帯を見れば既に昼の時間帯であり、腹が鳴ってもおかしくない時間帯。
腹が減ると集中力が低下するし何か食べた方がいいかもしれない。
「……ペヤング食うか。和泉も食ってけよ」
「あ、うん。ありがとう」
「作ってくるから、適当に寛いどけよ」
部屋の扉を開けたまま台所に向かったけーすけくんは、ゴソゴソとしながら袋の中を探っていた。
そんな姿を見ながら部屋を見ているとある物が目に付く。
東卍の特攻服がハンガーに掛けられていた。
抜けたけれども、大事にしているんだなと思いながら眉を少し下げる。
(けーすけくん、なんで東卍から抜けたんだろう…)
聞いたら答えてくれるだろうか。
声を掛けてくれたぐらいだから、聞いたらもしかしたら教えてくれるかもしれない。
でも教えてくれるとも限らないかもしれない。