The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第4章 血のハロウィン
「出てこい。オマエの銀髪がチラチラ見えてんだよ!イズミっちも服の裾が見えてる」
まさか見えていたとは…。
木の影に隠れた意味なかったなと思いながら、三ツ谷先輩と共に木の影から姿を見せれば佐野先輩は呆れたような表情をしていた。
「いやーバレたかー。ちょっとトイレ探してたら話し声が聞こえて」
「三ツ谷君…それに和泉も……」
出できたオレ達に驚く武道の顔を見ながら、思ったより元気そうな事にまたホッとした。
そして二人に近付くように歩きながらも、盗み聞きしていた罪悪感で上手く佐野先輩の顔が見れない。
やっぱり木の影に隠れずに出ていけば良かった。
なんて後悔していれば、佐野先輩は三ツ谷先輩を見るなりニコッと笑う。
「そうだ、ちょうどいいや。三ツ谷、弍番隊(オマエんトコ)にタケミっちとイズミっち入れる事にした」
「え!?」
「は!?」
「ん!?」
「タケミっち、イズミっち。今日から正式に東卍のメンバーだ。ヨロシクな♡」
あまりにも突然過ぎる。
そう思いながらも、三ツ谷先輩の隊で良かったと正直ホッとしていた。
もしこれで違う隊に入れられてもちょっと気まずいのはある。
「よろしくお願いしやーす」
「なんで盗み聞きなんてしちまったんだろう…」
「ほんとはさイズミっちは参番隊に入れようと思ったんだよね」
「は!?参番隊!?」
参番隊って稀咲の隊。
そんな所に入れられたら俺は間違いなく東京卍會になんて入る事は拒否する。
絶対に稀咲の下につくなんて嫌だ。
「入れようとしたけど…なんか嫌そうだから辞めた。稀咲がさ、イズミっちを自分の隊に入れてくれって言ってたんだけどね」
「絶対嫌です」
「そう言うと思ったから辞めた。あと…イズミっちはタケミっちの事手伝うなよ?これはオレに交換条件を求めたタケミっちへの条件なんだから。それと総長命令な♡」
「………はい」
まさかの言葉に項垂れた。
だがまぁ、稀咲のチームに入れられなくて本当に良かったが手伝えないのは誤算。
しかも総長命令と言われてしまえばお終いだ。
先手を打たれてしまった事に悩みながらも、バレなきゃいいのかな?とも考えだした。
結局はバレなきゃこちらのモンだし、こっそり手伝えばいいのかもしれない。
「こっそり手伝うなよ?イズミっち」