The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第4章 血のハロウィン
「問題児はいらねぇんだろ?マイキー」
「場地!!」
「辞めてやるよ。壱番隊隊長場地圭介は本日をもって東卍の敵だ!!」
なんで今日はこんなに訳が分からない事ばかり起こる?
稀咲が参番隊隊長になったり、けーすけくんは東京卍會を辞めて芭流覇羅に行くと言ったり。
なんで、なんでこんなに荒れまくる。
「ハハ。荒れてんなぁ東卍は」
まるで他人事のように言う稀咲を睨み付ければ、微笑みを返されただけ。
これから荒らしていくのはオマエだろうに…そんな怒りと憎しみに近い感情が湧き上がる。
そして稀咲から視線を外すと、俺は慌ててけーすけくんの特攻服な袖を掴んだ。
振り払われるだろうかと思ったがそんな事はされなくて、顔を上げればけーすけくんと目が合う。
「なに、オマエも来る?芭流覇羅に。芭流覇羅に幼馴染いるもんな。オマエ」
「そ、れは……」
「冗談だ。お前は来るな、絶対に」
「……え」
「じゃあな。和泉」
それだけを言ってけーすけくんはまた歩き出し、俺は呆然と立っていた。
最初の言葉は棘があったのに『来るな、絶対に』という声のトーンは何時もと同じ。
それに来るなってどういう意味なのだろうか。
「場地…」
「マイキー、イズミっち。気にすんな、アイツはそういう奴だ」
「けーすけくん…」
「……ああ」
するとポケットに入れていた携帯がブーブーと振動で揺れる。
マナーモードにしていたので着信音は流れないが、恐らくこのバイブの短さはメールだろうけど確認する余裕が無い。
ただただ去っていくけーすけくんの背中を見送っていれば、1人誰かが追いかけている。
恐らく壱番隊の副隊長である松野であり、アイツも着いていくのだろうかと思っていた時だ。
「オイ“タケミっち”」
「ん?」
「顔と腹どっちがいい?」
「え?何が?」
「どっち?」
後ろから声がすると思えば、何故か稀咲がにこやかな表情で訳の分からない選択肢を武道に選ばそうとしている。
けーすけくんのことで稀咲が居ることを忘れていて、武道の間に割って入ろうと足を進めた。
「オススメは顔かなぁ?」
「じ…じゃあ腹?」
そう武道が言った瞬間稀咲は武道の横っ面を殴っており、散々けーすけ君に殴られたせいなのかそれとも当たり所が悪かったのかそのまま武道は気絶して倒れた。