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The best happy ending【東リべ/三ツ谷】

第4章 血のハロウィン


(なんだ…アイツ。気持ち悪いのと…嫌な感じがする。予感?違うような…でも胸騒ぎがする)


心臓がザワつくような感覚に思わず胸を抑える。
そして未だに見られた時の気持ち悪さが尾を引いているようで、まるで油が手などにまとわりついているような感覚。

気持ち悪い。
なんて思いながら、階段を上がっていく男を見ていれば何故か佐野先輩に背を向けて階段を座り一気にざわつきが加速した。


「なんだアイツ!?」

「ありえなくね?」

「総長に背ぇ向けて座りやがった!!」

「なんたわテメェこのヤロー!調子のってんじゃねーぞ!!」

「オイ…挨拶しねぇのか?」

「なんだあのヤロー」


不満と怒りに近いざわつき声。
まさかの総長である佐野先輩に背を向けた事や、その場に座った事は確かに有り得ないと思っていると男と一緒に歩いていた奴が全員に睨むような視線をやりながら叫んだ。


「よく聞けテメェら!!オレの後ろに座っている方が!!!新 参番隊隊長、稀咲鉄太だ!!」

「……き、さき…」


ヒュッと喉が鳴る。
この目の前にいる奴が、目の前にいる奴が12年後の未来で東京卍會を凶悪にして佐野先輩を闇に堕とし橘と俺を殺した挙句に千堂が自殺した原因。
そして武道の敵。

何故そんな奴が新参番隊隊長に!?
目を見開かせながら見ていれば、稀咲はねっとりしたような視線で俺を見てきた。


(なんだコイツ…コイツ……)


心臓が痛い程に鳴る。
なんで今コイツがココにいて、新参番隊隊長になっていて……俺を見ている?
そんな中で1人で声をあげた。


「アイツ見た事あるぞ!」

「愛美愛主の奴じゃね?」

「愛美愛主の稀咲!」

「なんで愛美愛主がここにいんだよ!?」

「引っ込んでろや愛美愛主!!」

「「「引っー込め!!引っー込め!!引っー込め!!引っ!込め!!」」」


愛美愛主?
稀咲があの愛美愛主の人間…修二がいて龍宮寺先輩を林先輩と一緒に襲い、林田先輩の親友を殴り家族を自殺に追い込み、そして恋人をあんな大怪我を負わせた愛美愛主の人間。
尚更何故と思っていれば龍宮寺先輩が前に出た。


「黙れ!!マイキーの決めた事だ!文句ある奴ぁ前に出ろ!!」


龍宮寺先輩の一喝するような言葉にざわつきが消えたが、俺はただただ謎だった。
なんで敵のチームの人間を佐野先輩は参番隊隊長にしたのかと。
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