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The best happy ending【東リべ/三ツ谷】

第4章 血のハロウィン


そりゃ当たり前だろうなと思いながらざわつきに耳を傾ける。
戸惑いや期待に楽しみ…そう言った声が聞こえてくる中、何故か武道が緊張したような表情を浮かべている。


「誰が任命されんのかな?」

「ぺーやん?」

「それはねーだろ」

「ドラケン君襲った奴が隊長になる?」

「確かに」


林先輩が隊長になるのか…それは俺も一瞬は思ったが龍宮寺先輩を襲い、愛美愛主の残党と手を組んでしまった彼は一時的でも『裏切り者』。

流石に隊長になるのは無理か。
なんて思いながら、未だに緊張したような表情の武道に首を傾げた。


「どうした?武道」

「本命不在…もしかして…いや、まさかな」

「参番隊隊長はお前じゃないと思うからな」

「……なんでオレが考えてる事分かったの?」

「顔に出てる。大体お前さ…まだ東卍の正式メンバーじゃないんだし無理だろ」


銭湯での佐野先輩の言葉とかで、自分が参番隊隊長に任命されたりと思っていたのだろう。
だが忘れているかもしれないが俺達はまだ正式なメンバーでもない。
そんなメンバーが隊長になれば不満が出てくる。

すると佐野先輩はゆっくりと前に歩み出す。
一瞬目が合った気がしたが、直ぐに彼は真っ直ぐに視線を持っていき口を大きく開いた。


「参番隊隊長!!前に出ろ!」


佐野先輩の言葉に更に周りがザワつく。
新参番隊隊長は誰だろうか…そんな風に周りを見渡していた。
そんな時後ろから声が聞こえてくる。


「どけ!」


ざわつきを掻き消すかのような一声。
その一言だけで、ゆっくりと東京卍會メンバーは真ん中に道を作っていく。
そしてある2人の男達がゆっくりと歩き出した。


「アイツが参番隊の新隊長?」

「デケぇ方?ちいせぇ方?」

「……まだオレな訳ねぇか」

「当たり前だろ」

「追い打ちかけないでっ!」


武道の文句を聞き流しながら、新参番隊隊長を見ているとふと見覚えがある事に気が付いた。
日焼けで焼いたような色黒の肌に金髪で刈り上げだけ黒髪、そして眼鏡にピアス。


「コイツ…」


コイツ確か、前に龍宮寺先輩と三ツ谷先輩とエマの4人でカラオケに行った時に俺を見てきていた奴。
あの時に気持ち悪い、何かが絡まってくるのうな視線をしていた……。

そう思っていればソイツと目が合う。
あの時のように気味が悪い笑みを浮かべながら見てきていた。
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