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The best happy ending【東リべ/三ツ谷】

第4章 血のハロウィン


動揺の仕方や表情で違和感が確信に変わった。
だが何故12年後の武道がココにいるのだろうか…そう思いながらも、もしかして未来で何かあったのだろうかと思い眉間に皺が寄る。


「実は…未来でまたヒナと和泉が死んだ」

「……また」

「稀咲に…」


詳しく聞きたい所だが、向こうにいる佐野先輩達が『まだか〜?』と聞いてきているのであまり時間は取れないのとこの後集会があるのであまり長話は出来ない。

取り敢えずと武道の目元をまた袖で拭っていけば、服が涙で濡れていく。
そして全ての涙が拭えてから俺は武道の耳元で喋った。


「詳しい事は後で聞くから。今は集会に行かなと」

「あ、そっか…。ごめん」

「いいよ。ん、涙も止まったな……お待たせしました」

「おー。んじゃ、行くか」


新 参番隊隊長の就任式に未来でまた死んだ橘と俺。
今日は何やら嫌な予感と胸騒ぎがしてくる気がして、眉間に皺を寄せながらも集会場である武蔵神社へと向かった。

武蔵神社に到着すれば既に大勢の東京卍會の隊員達が集まっていて、俺と武道へと視線が集まる。
これは毎回の事…8・3抗争の時からだった。


「な、なんか視線がすげぇんだけど…」

「8・3抗争の時に、隊員じゃないけど抗争に参加してお前は龍宮寺先輩の命を助けたからな。変に視線が集まるんだよ、毎回毎回」

「そう、なんだ…」

「お前らは良い意味でも悪い意味でも話題の的だから」

「良い意味でも悪い意味でも?」


隣にいた三ツ谷先輩が苦笑しながら俺と武道を見てから、後ろにいる隊員達にも視線を向けた。
そういえば武道は未来に帰ってから集会に参加していないから分からないのか…。


「タケミっちと和泉は隊員でもないのに、抗争に参加してドラケンの命を救うという事をした。まぁ、他の隊員達の中ではそれが面白くねぇ奴もいる。しかも和泉は半間の幼馴染だからな…」

「あ、そっか…」

「ジロジロ見てきて鬱陶しい事この上ないですけどね」

「はははっ…」


本当にジロジロと鬱陶しい。
そう思っていれば、目の前の石段に龍宮寺先輩と佐野先輩が立ち隊員達を見渡せば騒がしい隊員達が黙り静まり返った。


「これより東京卍會参番隊隊長 任命式をはじめる!!!」


龍宮寺先輩の言葉にまたざわつき始め、辺りが騒がしくなっていく。
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