The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第4章 血のハロウィン
そして暫くしてから三ツ谷先輩のインパルスは銭湯近くに停り、銭湯前には他の東京卍會の隊長達が集まっている。
もしかしてコレって総長達を迎えに来たのだろうかと思いながらも、タンデムから飛び降りた。
「お、イズミっち」
「ようイズミっち」
「お久しぶりです。武藤先輩、スマイリー先輩」
「お前らもう来てたんだな」
弐番隊、肆番隊、伍番隊の隊長達の中に俺が居ていいのだろうかと思いながら暖簾が下がっている銭湯を見る。
佐野先輩と龍宮寺先輩に捕まった武道もいると聞いたが…大丈夫なのだろうかと心配になってきた。
暫くすればバサッと暖簾が動き、銭湯から佐野先輩に龍宮寺先輩と困惑顔の武道が出てきた。
だが武道を見た瞬間ふと違和感を感じる。
「タケミっち。いよいよだな」
「主役のおでましだ」
「え?」
「タケミっち、行くぞ。新 参番隊隊長任命式だ!!」
「……へ!?」
やっぱり違和感がある。
武道なんだけど武道じゃない気がして眉間に皺を寄せていれば、武道とパチッと目が合った。
「和泉……」
「ん?」
「和泉〜〜っ!!!」
「え?なんでタケミっち泣いてんの?」
何故か武道は俺の顔を見るなり泣き出した。
目からボロボロと涙を流し、それを見た三ツ谷先輩達はギョッとした顔。
だがそれでも武道は泣き続けるものだから、俺は驚きながらも近付いて服の袖で目元を擦ってやる。
でも涙は止まることはない。
「……佐野先輩達。武道に何かしました?」
「なんでオレ達を疑う!?なんもしてねぇ〜よ!!」
「ホントですか?」
「お前ら…マジでタケミっちに何した?」
「ま、まいきーくんたちは、なにもしてなぃぃ」
嗚咽声を漏らしながらも武道がそう言うので、じゃあ何してないんだろうとなった。
だがあまりにもずっと泣き続けるものだから全員が困惑したまま。
「タケミっち落ち着くまで待っとくから、イズミっち泣きませてくれよ」
「はいはい。武道、お前いい加減に泣き止まないと目が腫れるぞ」
「うん…」
やっぱり違和感がある。
この感覚は…初めて12年後の武道と会った時と同じ違和感であることに気付き、小声で声をかけた。
「お前、12年後の武道だろ」
「……なんで分かった!?」
「何となく…違和感があったから」