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The best happy ending【東リべ/三ツ谷】

第3章 8・3抗争


そして武道の頬に手を添えた。
信じられない程冷たく震えた手に、武道は同じように震える手を重ねる。
すると和泉はまた小さく笑う。


「ごめん、な…。死なないって約束、したのに……」

「謝らなくていいからっ…!」

「武道……。ありがとう、な…」


和泉はそうお礼を言うなりゆっくりと目を閉じていく。
そして武道の頬に添えていた手はずり下がっていき、目が完全に閉じた時その手はパタリと力なく落ちた。

何も喋らない。
手も体も動かない…体はどんどん冷たくなっている。
武道は目を見開かせながら和泉の顔を覗き込み、ナオトは和泉から目を逸らし眉間に皺を寄せた。


「和泉?なぁっ、和泉……?」

「っ…和泉さん……」

「なぁ、何で目閉じてんだよ……なぁ、和泉?」


何回も何回も名前を呼ぶ。
だが和泉は目も開けず返答さえなく、武道の瞳にみるみると涙が溜まった。


「っ……和泉!!!!!!」




都内葬儀場で3発の銃声音。
2発の弾を受けたのは神澤和泉はその場で死亡が確認され、頭を撃ち抜いた犯人もその場で即死が確認された。
そしてこのニュースは車の爆発事件よりも多大的にテレビに流され新聞で広められらた。



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真っ暗な部屋の中でテレビだけが明るく光を灯していた。
部屋の中では武道が一人ベッドの上で体操座りをして、膝に顔を埋めている。

そんな彼を見ながらナオトは眉を下げて、部屋の明かりを付けてから武道に近付いた。
だが武道は顔を上げることはなく、そしてテレビでは速報のニュースな流れる。


『速報です。今朝、東京内の葬儀場で神澤和菓子生産工業社長・神澤和泉さんが何者かにより銃で撃たれ亡くなりました。犯人の男はその場で自殺し、警察は神澤さんを撃った男の身元を調査するべく……』


アナウンサーは感情も篭ってない言葉でニュースを読み上げていく。
ナオトはそんなテレビを見てからリモコンで電源を切ってから、武道へと視線を向けた。


「和泉さんを殺した男の身元が分かりました。男は東京卍會の構成員でした」

「東京卍會…」

「そして男の車から遺書が見つかってます」
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