The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第3章 8・3抗争
「ドライブでもしますか?その方が話しやすいでしょ?ボク運転するんで」
「へ?」
「うん!」
埒が明かない為、ナオトはドライブを提案して全員がその提案に乗った。
そして地下の駐車場に向かう為に4人は部屋を出ると、エレベーターへと向かう。
そんな時、和泉が武道の肩を叩く。
なんだろうと思いながら振り向けば、日向な聞こえないように小さな声で喋ってきた。
「お前、過去から戻ってきたんだろ」
「……え」
「やっぱり」
「どうしたの?タケミチ君、和泉君」
「ごめん橘。ちょっと武道と話があるから先に行っててくれ」
「分かった!」
先にエレベーターに乗った橘を見送ってから、和泉は階段で行こうと誘い武道は頷いて二人で階段を降りだす。
そして和泉は隣で歩く武道を見てから笑った。
「12年前のこのぐらいでお前、未来に戻ったからどうかなと思ってたんだよ」
「そっか…そっかぁ」
「なんでまた泣くんだよ」
「だって、ちゃんとヒナも和泉も生きてたからっ!」
ボロボロと泣く武道に苦笑を浮かべながら和泉は無意識なのか、ピアスに触れていた。
クセなのだろうか…だが12年前にはそんなクセは彼女には無かったはず。
少し不思議に思いながら涙を拭いながら、武道は生きている彼女を見て笑った。
こうして大人になっても大切な幼馴染と話せる事は嬉しい事なんだと思いながら。
「あ、そういえばさ…東京卍會の皆ってなにしてる?」
「さぁ…。最近まで俺、アメリカの方にいたから…こっちの事はあまり詳しくないし…お前には東卍に関わってほしくない」
「え?最後のほうなんて言った?」
「なんでもない。ほら、早く行こう泣き虫」
「泣き虫は余計だろ!!」
最後の方和泉は何かを言ったはずなのに、小さな声で聞き取れなかった。
そしてあからさまに彼女は今話を逸した…まるで東京卍會の話を避けるかのように。
「そういえば、やっぱ家継いだんだな」
「まぁな…元々継ぐのは決まってたし。というか俺、歴代の当主達より稼いでるんだよ?」
「それナオトから聞いた!すげぇよな!!」
「だろ?稼いで身内の奴らが何も言えないようにしてから、跡継ぎはさ分家の方から選ぼうと思って」
「へぇ」
「本家の人間に継がせる気はない」