The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第3章 8・3抗争
ドラケンの死は止めた。
これで現代の東卍のナンバー2はドラケンのままで、“稀咲”がナンバー2にならない。
ドラケンの死で変わったマイキー君。
そして稀咲を恐れて自殺したアッくん、そして巨悪化した現在の東卍に殺されたヒナと和泉。
ドラケンが生きていれば全て変わっているハズだ!
そうだろう?ナオト!!
「何度同じ事を言わせるんですかね〜〜?花垣武道く〜ん」
「へ?…店長?」
「DVDは返却されたらすぐ陳列〜〜。何度も言いましたよね
〜」
一際強い鼓動を感じたと思った瞬間、目の前にはあの嫌味ったらしい年下の店長である長谷川がいた。
その事に驚きながら辺りを見渡すとソコは確か、クビになっていたはずのバイト先のレンタルビデオ店。
「…バイト先?」
目の前にはナオトがいない。
何故クビになった筈のバイト先であり、店長が目の前にいるのかと少しのパニック状態になる。
何せ前にタイムリープで戻ってきた時はナオトの家に居たのだから。
それなのにナオトはいなしいしと慌てながら、ふと今の現状を調べる事にした。
「あ!ケータイ!」
暫くスマホをいじり、ヒナと#name1が死んだ事件を検索していく。
だが調べてもソコにはあの事件が表示される事がなく、武道はゆっくりと目を見開かせた。
(いくら検索しても、ヒナと和泉が死んだ事件が出てこない!!)
「花垣武道くーん?もしかしてサボってます?」
「あ、スイマセン」
咎められてから武道はスマホをポケットの中に収めて、言われた通り返却されたDVDを元の場所に陳列していく。
だが内心はまだ驚いているままである。
何せ調べても2人が死んだ事件が無いのだから。
日付やあの事件の名前を入れても出てこず、似たような事件もない。
「えーっとコレはココ…」
(全部…?タイムリープも全部夢だったのか?)
なんて思いながら陳列していると、うっかり手が滑ってしまい手に持っていたDVDをばら蒔いてしまった。
考え事をしていたのが良くなかったかもしれない。
「おっと」
DVDを取ろうとした瞬間武道の動きが止まった。
そして目は大きく見開いており、頬に汗が小さく浮かびながらあるものを見た。
(違う…夢じゃない…!!)
武道の目線の先には左手がありそこにはキヨマサにつけられた傷があった。