The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第3章 8・3抗争
意味不明な言葉を残してから修二はそのまま去って行く。
何時か俺が芭流覇羅に行くことになるってどういう事なのだろうか。
そう仕向けられるようになるのか…それとも何か別の理由で?
「イズミっち、大丈夫?何かされた?」
「いえ、されてませんよ。アイツは俺に変になにかしてくるような事はないので」
「それより和泉が何時か、そのバルハラってのに来ることになるってどーいうことだ?」
「…分からない」
そこが引っかかるのと、何か胸騒ぎがする。
良くないことが起きそうで…それが何なのかは分からないが取り敢えず…と隣に居る佐野先輩を見た。
武道が未来に帰るのだから、俺が佐野先輩が闇堕ちしないように見ていなければな。
そう決意してから息を深く吐いた。
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ー三人称ー
未来に帰ることにした武道は日向の家に来ていた。
インターホンを鳴らせば、すぐに足音と共に玄関が開く音が聞こえる。
「タケミチ君?君はいつも急に来るね!」
「ごめんごめん」
玄関を開けて出てきたのは日向。
怒っているような、嬉しそうなそんな表情であり武道は彼女に怒られているのにも関わず少し嬉しそう笑った。
そんな彼を見て日向は眉を少し寄せる。
だが結局は日向も嬉しいのだ。
大好きな武道が来てくれたのと、顔が見れた事が嬉しくて直ぐに表情は明るくなった。
「あのさ、ナオトいる?」
「ナオトー!!タケミチ君が呼んでるよー」
そう家の方へと声をかけるが、ナオトからの返答はない。
聞こえていないのだろうか、それとも返事をせずに来ているのだろうかと考えてから呼びに行こうと決めて日向は武道の方を見る。
「ちょっと待ってて」
「あっ、ヒナ。ハイ」
「え?ネックレス?」
武道はポケットからネックレスを取り出し、日向の手のひらに乗せた。
四つ葉のクローバーがつけられ、淡い緑が日差しに照らされて綺麗に光る。
「ホラ、せっかくの埋め合わせなのに巻き込んでさ」
「……あー!!お祭り?」
「埋め合わせの埋め合わせー。安モンだけど」
武道は気にしていた。
せっかくの埋め合わせのお祭りデートだったのに、抗争に巻き込んで怖い思いをさせた事を。
なのでそのお詫びも込めて日向に似合いそうなネックレスを選んで購入したのだ。