The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第1章 泣き虫ヒーロー誕生
大きく溜息を着きながら椅子から立ち上がり、廊下に出る為に歩いていれば教師が目を白黒させていた。
まぁ急に他校の奴が教室に入ってくればなぁ…と思っていれば佐野万次郎と目が合う。
「イズミっち〜。断ったけど結局来るんだ」
「武道にお願いされたんで」
「相変わらずそっけねぇの」
二コーと笑う佐野万次郎にお世話になった人の面影が重なるが…性格は違うなと思いながら眉間に皺を寄せる。
流石にあの人は他校に乗り込んで来る事はしなかった。
そう思いながら廊下に出た瞬間目を見開かせる。
何せ廊下には3年生達が転がっており、殴られた痕跡がアチコチにあった。
「さ…3年生のみなさん?」
「…まじか」
「なんスか?コレ」
「あ?コレ?このゴミ?」
龍宮寺堅は倒れている3年生を見てまさかの『ゴミ』発言。
一応他校の生徒なんだけどな…と思いながら流石不良、やっぱり嫌いだわと思いながら溜息をついた。
「なんかムカつくから全員ノシといた」
「…そんな理由で」
「オマエら全員ここに並べー。うつぶせで」
すると龍宮寺堅は倒れていた3年生にそう指示をして、指示された3年生達は困惑しながらうつ伏せになっていく。
最初は何をするのだろうかと思ったが、なんとなく想像はついた。
やっぱり武道達以外の不良は嫌いだ。
そう思っていれば、3年生達がうつ伏せに倒れていき1列になっていた。
「おいおい、離れすぎだよ。痛ぇのはオマエらだよ?」
「へ?」
「何が行われるんだろう」
すると学校のスリッパを履いている佐野万次郎が、予想通りに3年生の背中を踏みつけて歩き出した。
そして後に続くように龍宮寺堅までもだ。
「胸糞悪い…」
「和泉っ…!!」
ポツリとそう呟けば、武道が慌てた顔をしながら口を塞いできた。
このぐらいで殴られるのならば、その程度の糞野郎なんだろうと思うけどと考えながら3年生を踏みつける2人の横を歩き出す。
「神泉でUSGが幅利かせてるらしーよ」
「いーじゃん。ぶっ飛ばしにいこうよ」
「頭イカれてる…」
「和泉!!思っても口に出さない……っ!!」
涙目になった武道に口を塞がれる。
でもお前も絶対思ってただろう…見てたぞ頷いていたのをと思いながら隣を見た。
まず本当にコイツら遊びたいが為に来たのかと思いながら。