The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第3章 8・3抗争
龍宮寺先輩を見る瞳。
そしてその瞳に篭っている熱や、態度を見れば龍宮寺先輩に好意を持っているのは分かってしまう。
「う、ウチ…そんなに分かりやすい?」
「分かりやすいかどうかって言われると、分かりやすいかな?」
「そう…なんだ……」
顔を真っ赤にさせて、イジイジとしている姿は恋する乙女で昔から知っているエマと違って少しモヤっとした気分になってしまう。
俺の知らない所で、龍宮寺先輩に恋をして龍宮寺先輩と過ごしていたんだな。
そう思えばヤキモチを焼いてしまい、子供らしくて馬鹿らしいヤキモチだなと乾いた笑みが零れる。
「そ、そういう和泉は好きな人いないの!?恋愛はしないとか言ってたけど、好きな人ぐらいは居てもいいんじゃない!?」
「俺は……別に、好きな人とかは」
「例えば、三ツ谷とか」
「三ツ谷…先輩……」
三ツ谷先輩の名前が出た瞬間、胸が少しザワッとする。
不思議な感覚であり、今まで感じた事のないような感覚に思わず首を傾げた。
「和泉は、三ツ谷の事どう思ってるわけ?」
「……優しくて、思いやりがある人。少し、お節介な所はあるけど……人をちゃんと見てる」
「へぇ」
「なんで、ニヤついてるわけ」
「んふふ」
ニヤついているエマをジト目で見ながら、俺はベッドに横になる。
脳裏に浮かぶのは三ツ谷先輩の姿で、彼をどう思っているのかと聞かれたら返答するのにかなり難しい。
だって自分自身が三ツ谷先輩をどう思っているのかよく分かってないから。
なので曖昧のような返答になってしまった。
「他に、ないの?三ツ谷を見て」
「………胸が、ギューってなる。なんかザワついたり…あと三ツ谷先輩の傍にいると落ち着くというか…なんというか………変な気分」
「………ねぇ、和泉。それ、恋でしょ」
「…………は?」
エマが俺の瞳を覗き込みながら放った言葉に、思わず目を思いっきり見開いてしまった。
だって今、エマは『恋でしょ』と言ったのだから。
「和泉、三ツ谷の事好きなんでしょ。それ…好きな人に対して感じる事だったりする。ウチもドラケンを見たらそうなっちゃうもん」
「いや…それはっ…違う」
「なんで?」
「だ…って、三ツ谷先輩と会って…まだ…そ、んなに経ってないから…。恋は…違う気がする」