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The best happy ending【東リべ/三ツ谷】

第3章 8・3抗争


「なっ、何も叩くことないでしょ!?」

「お前が揶揄うからだろ」


なんて素っ気なく言う龍宮寺先輩の耳が少し赤くなっているのを俺は見逃さなかった。
早くに告白すればいいのに…と溜息を零す。

もどかしい。
そう思いながらも、他人が急かしても仕方ないかと半分諦めるかなと考える。


「そういえば、8月3日…愛美愛主との抗争無くなったわけだからケンチンさぁエマと祭り行けよ」

「祭りぃ?ああ…武蔵神社のか」

「うん。エマこの間、浴衣買ってたからさ…誘えよ」


そう言う佐野先輩の表情は穏やかで優しかった。
きっとエマはその浴衣…龍宮寺先輩に見てもらいたくて買ったんだろう。
それを察した佐野先輩はきっと分かっていて、龍宮寺先輩にそう言った筈。


「元々、誘う気だったわ」

「「……へぇ〜」」

「お前らっ、なんだその顔はっっ!!」


龍宮寺先輩の言葉に、俺と佐野先輩がニヤッとした笑みを浮かべば顔を少し桃色に染めながら声を荒らげる。
やっぱり早く付き合えば良いのに。

だがまぁエマ泣かせたら許さないし、認めないけど。
なんて黒い何が出てくるが、今はそれを押さえ込んでから微笑ましいと思った。


「何騒いでんの〜!?もうご飯出来るよ!!」

「おー!!行こうぜ、イズミっちにケンチン」

「おう」

「はい」


台所に案内されると、フワッと味噌汁の匂いと炊きたてのご飯の匂いがしてきた。
食欲をそそられる匂いと何処か懐かしい匂いがする。


「ほら、座って座って。冷蔵庫にあった物で作ったものばかりだからそんな豪華じゃないけど」

「豪華じゃねぇって言いながら…何時もより豪華だろ」

「エビ入り卵焼き…」

「何よ!なんか文句ある!?」


佐野先輩とおじいさんの言葉に、エマは睨み付けると2人は黙った。
どうやら佐野家の紅一点は最強なようだ…。

俺は何も言わずにエマに言われて、ダイニングテーブルの椅子に腰掛けた。
そして隣にエマが座り、目の前に佐野先輩と龍宮寺先輩におじいさんが座る。


「遠慮なく食べてね!いただきます」

「うん…ご馳走になります。いただきます」

「「「いただきます」」」


手を合わせてから、橋でエビが入った卵焼きを1口サイズにしてから口に運ぶ。
するとだし汁とエビの甘みが口いっぱいに広がった瞬間、俺はゆっくりと目を見開かせた。

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