The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第3章 8・3抗争
「今日は和泉にご飯食べに来てもらったの!」
「そうか、そうか。ゆっくり寛いで行きなさい」
歓迎されているのだろう。
その事に心がじわりと暖かくなる感覚が擽ったくて堪らなくて、思わず顔が緩む。
「それにしても、鳴海くんが今の成長をした和泉君を見れば喜ぶだろうな。真一郎も…君を本当の妹のように可愛がっていたからな。それに、桜子も喜ぶだろう…本当の娘のように可愛がっていたから」
「……そうだったら良いですが」
桜子おばさん…。
彼女は病死した、真一郎くんと佐野先輩のお母さんでありエマの義母。
優しい人だった。
息子の恋人の従姉妹ってだけなのに、俺を可愛がってくれたのだ。
(懐かしい…。自分の産んだ娘じゃないエマも可愛がっていたし…本当に優しい人だった)
懐かしさを覚えながら、目を少し細めていれば手を突然優しく握られて驚いて隣を見ればエマが手を繋いできていた。
そしてエマは優しく目を細めながら微笑む。
「ご飯作るから、リビング行こう!」
「うん…」
「エマ、今日何作るの?」
「何しようかなぁ〜。冷蔵庫の中身見てから決めなきゃ!マイキー、ウチがご飯作ってる間ちゃんと和泉をおもてなししておいてよ!」
「おもてなし〜?」
エマに案内されながら、佐野家のリビングに入ってからソファに座るよう促された。
そして左右に佐野先輩と龍宮寺先輩が座って、エマはエプロンを付けると台所へと。
「そういえばさ、イズミっち。母ちゃんと会ったことあったんだな」
「真一郎君に何回か会わせてもらったんです。亡くなったあとも……」
「そうだったんだ…」
「あ、あと聞きたいことあったんだ。何でイズミっちって、ほんとに恋愛したくねぇの?立場とか家柄の理由無しで」
「……どうでしょう。考えたことないですし、まず無理だからしようとは思いませんよ」
「……ふーん。つまんねぇの」
つまんないって…アンタなぁ……と思いながら、溜息を零しながら苦笑いしている龍宮寺先輩を見た。
エマと両片思いで、告白しようとしないこの人。
「そういえば、龍宮寺先輩て何時エマに告白するんですか?意外と意気地無し?」
「イズミっち…お前、生意気だな?」
パンっ!!と龍宮寺先輩はそう言いながら俺の頭を思いっきり叩いてきた。