The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第3章 8・3抗争
「おじいちゃーん!!ただいまー!!」
「じいちゃーん!!!」
すると佐野先輩とエマは大きい声で叫び、靴を脱ぎながら玄関へと入っていく。
そして龍宮寺先輩も慣れたように上がっていて、俺はそれを思わず眺める。
「イズミっちも上がれよ」
「あ、はい」
佐野先輩に促されて、靴を脱いで端っこに並べてから上がれば遠くから足音が聞こえてくる。
ゆったりとしいて静かな足音が徐々に近づいてきた。
そして廊下の向こうから、何年ぶりかに見た佐野先輩とエマのおじいさんが現れた。
ゆったりとした足付きで表情を変えずに歩いている。
「なんだ、騒がしいな」
「おじいちゃん、覚えてる?和泉だよ」
「ん……?お、おお!和泉くんか、久しぶりだな!!」
「お久しぶりです、おじいさん」
「ああ…本当に随分久しぶりだな。真一郎の葬儀以来だったかな?」
「はい…」
覚えてくれていた。
その事が嬉しくて、じわりと心が暖かい物で染み込んでいくのが分かる。
「ん、元気にしていたか?」
「はい」
「やっぱじいちゃん、知ってたんだ」
「昔、鳴海くんが会わせてくれたからな。こんな小さくてな…成長したもんだ。最後に会った時より身長が伸びたな」
「あの時は、すみませんでした。最後まで居れず…」
エマとおじいさんに最後に会ったのは、真一郎くんの葬儀だった。
だけど俺は葬儀に最後まで居なくて、お香を上げてから直ぐにその場を離れたのだ。
何せ俺は真一郎くんに顔を会わせるのが気まずくて、たださえ鳴ねぇが死んだ際会う機会が減ったり迷惑をかけていたのにと考えたらその場に居れなかったのだ。
「いや、君が謝る必要はない。それに鳴海くんの葬儀の時、ワシと真一郎も最後まで居ることは出来なかったからな。気にする必要はない」
声が言葉が優しい。
油断したら、涙が零れ落ちそうでなんとか耐えていればおじいさんに頭を撫でられた。
「久しぶりに会えて嬉しいものだ。ワシこそ謝らんといかんな…鳴海くんの葬儀の時に声をかけてやれず」
「いえ、それは…あの時は仕方なかったですし」
鳴ねぇの葬儀の時、真一郎くんは荒れていた。
死を受け止めれず泣き叫んで、崩れ落ちてそのまま葬儀を後にした記憶が今も鮮明に残っている。
「それより、今日はどうしたんだ?」