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The best happy ending【東リべ/三ツ谷】

第3章 8・3抗争


唐突な質問に思わず目を丸くする。
何故そんな質問をしてきたのだろうか…なんて思っていれば、佐野先輩は小さく笑った。


「純粋に思った。男装してるけど、男と恋愛したいとか思うのかなって」

「……思いませんよ。それに俺は自由な恋愛ができる立場ではないですし、興味無いですから」


そう…恋愛に関しては禁止されてはいない。
だが俺の立場的に自由な恋愛は無理であり、恋愛はせず恐らく婚約者ができて結婚するだけ。

別に珍しい事じゃない。
家柄的に家の為の結婚はよくある事であり、他の神澤家と似た家柄の家庭も殆どがそうだ。
家の為に、家に有利な家の人間と結婚するのは。


(それに、父さんと母さんは婚約からの結婚。お爺様とお祖母様もそうだって聞いてる)


自由恋愛して結婚した人間は本家にいるだろうか。
分家の人達ならいるけど…なんて考えていれば、突如右手を握られた。


「……エマ?」

「今日、ウチ腕によりをかけてご飯作るから」

「うん」

「残したらダメだからね」

「残さないよ」


そう言えば、エマは少しはにかんだ。
だけど目は悲しそうで、きっと俺の発言を気にしているのだろう……エマは優しいから。


「何作ろうかな。和泉が好きな食べ物なにって聞いても、ジャンクフードってしか答えないから困るんだよねぇ」

「特にこれって好きな物はないからなぁ」

「イズミっち、ジャンクフードが好きなんだな」

「はい」

「だから、ほとんどジャンクフードとかて食事済ませてるんだよね。なのになんで体型変わんないの!?そこが不思議なんですけど!!」

「運動してるから。食べたならその分運動すれば良いだけだし」

「簡単に言わないで!」


他愛のない話をしていれば、佐野家に着くのはあっという間で…。
ここに来たのはカラオケに行く時にエマを迎えにきた以来かなと思いながら門をくぐった。


「おじいちゃんいるかな」

「いるんじゃねぇの?この時間帯なら」

「居て欲しいけどなぁ。折角和泉を連れてきたんだし」


なんて話ながらもエマは俺の腕を掴んだまま。
まるで逃がさないと言わんばかりであるが、俺は逃げるつもりはないぞと心で呟く。

そしてエマは玄関の前に立つと、扉を開ける。
ふわりと木の匂いがしてきて、生活感が広がる玄関周りが見えた。
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