The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第3章 8・3抗争
優しい声が聞こえる。
何故かその声に心が落ち着きながらも、今日はそっちには行けないと伝えることにした。
「すみません、今日は佐野先輩の家にお邪魔しますのでそっちには行けません」
『おう、分かった。どうせマイキーとエマちゃんがオレが和泉を独り占めしてるからって不貞腐れてたんだろ?電話でマイキーもそう言ってたし』
「は、はは…」
『まぁ、また来てくれよ?ルナマナもオレも待ってるから。じゃあな』
電話が切れてから、ポケットに収め振り向けば嬉しそうに顔を綻ばせている佐野先輩とエマ。
この2人やっぱり兄妹だな…なんて思いながらも溜息をついた。
エマも大人になったな…なんて思ったがやはりまだ13歳の少女らしい一面もある。
それに佐野先輩は……まだ子供っぽい所しか見てない気がするけど…。
「今日は、佐野先輩のお家にお邪魔します」
「「ヤッター!!!」」
「お、イズミっち。今日はマイキーの家に行くのか?」
「じゃないと…機嫌悪くなりそうで、この2人」
「ああ…確かに」
龍宮寺先輩は苦笑を浮かべながらも、微笑ましそうにはしゃいでいる2人を見ていた。
そんな彼を横顔を見ていれば、エマがこちらへやって来る。
「和泉って、嫌いな食べ物ある?」
「特にないけど…」
「なら、腕によりをかけて作るから!」
「ありがとう…」
「なぁ、ケンチンも来いよ。せっかくだから」
「おー…そうするか」
するとエマが頬を赤らめながら、目を見開かせていた。
好きな人がご飯を食べに来るっていうのは、嬉しくもあり
恥ずかしく思えるらしい。
可愛らしい恋する女の子だ。
なんて思っていれば、エマが私の腕を抱え込んできたので首を傾げる。
「今から、家おいで!」
「え、今から?」
「うん!おじいちゃんにも会わせたいし」
「あぁ…。うん、分かった」
佐野先輩とエマのおじいさん。
確か、数回会って可愛がってもらった記憶があったなと思いながら久しぶりに再会する人に何処かわくわくした気持ちがあった。
そして武道達と別れた俺は、エマと佐野先輩に龍宮寺先輩の4人で佐野家へと向かう。
少し緊張しながらはあるが。
「そういえばイズミっちっはさ、恋愛とかしたいとか思わないの?」
「恋愛…ですか?」
「そ、恋愛。したいと思わないわけ?」