The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第3章 8・3抗争
「あの二人、いつの間に…」
仲直りしていたのだろうか。
そう思いながら眺めていれば、千堂に肩を叩かれたので振り返ってみれば『行くぞ』と口パク。
恐らく武道がこちらを見て来るから逃げるって事だろう…まぁ逃げるしかないよな。
「しかし頭臭っせーな。これどうやって取れば…」
予想通り。
武道はコソコソ離れていく俺達の方を振り返ってから、目を見開かせた。
あ、バレた。
そう思いながら、俺達は少し気まずそうな顔をしてから走り出す。
「逃げんなオマエら!!」
「やべー!!」
「くっせー!」
「逃げろー!」
「武道!オマエ髪の毛洗うまで近づくなよ!!」
「皆ひでぇよ!!!」
ギャーギャー騒ぎながら、俺達は武道を置いて近くの公園まで走って行った。
その後千堂達はサッカーボールを持ってきて遊び始め、俺は佐野先輩と龍宮寺先輩とで石段に座り武道を待ち不機嫌そうに武道がやって来た時は笑ってしまった。
「笑ったなぁ」
「久しぶりに超笑った!」
「はぁ…笑い疲れた」
「髪洗いましたから!」
まだ揶揄われる事に対して武道は怒る。
だけども、佐野先輩と龍宮寺先輩は笑っているまんまであり武道は更に怒った。
その光景が面白くてつい俺も笑ってしまう。
(にしても、いつの間にか佐野先輩と龍宮寺先輩……いつも通りになったな……)
だけど喧嘩になったのは2人とも譲れない物があったから。
林田先輩を助けたかった佐野先輩と、林田先輩の覚悟を尊重した龍宮寺先輩。
2人とも林田先輩を思っての喧嘩だった。
「パーが出てきたら、いっぱいお祝いしよーな」
そう言う佐野先輩がやっと心から少しは笑えている。
何となくそう思えながら、サッカーをしている千堂達へと佐野先輩と龍宮寺先輩は向かっていた。
「やっぱ東卍ってかっこいい!」
「……そうだな」
「アレ!?和泉が暴走族をかっこいいって認めんの、珍しくね!?」
「まだ短い期間だけど、見てたらかっこいいとは思える」
仲間の為に必死になる姿。
そして誰かを助けようと一生懸命な姿は、純粋にかっこいいと思える。
嫌な人間と変な人間はいるが、だけど本当に一生懸命な人達が多い。
林田先輩も結局、親友を助けたくて長内を刺してしまった訳だし。
「必死なんだな…全員。仲間や親友の為に……必死」