The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第3章 8・3抗争
人の為ならば自分を顧みない。
無鉄砲で考え無しの馬鹿で優しい泣き虫のヒーローだ。
そんなヒーローに俺は何度も救われている。
「と、武道の家そこ曲がった所ですよ」
「へーアソコかぁ」
「多分家に居るとおもっ……」
ピシッと体が固まる。
そして頬から嫌な冷や汗が流れ始めて、顔から一気に熱が消えていくのを感じた。
「ん?」
「ん?」
「…………やば」
目の前には…武道の家から出てきたのは龍宮寺先輩。
まさか彼が武道の家に来ていたとは…で驚いているのと、まさかの佐野先輩と龍宮寺先輩が鉢合わせした事へと緊張と何かの恐怖で冷や汗が流れ始めた。
今絶対に会わせちゃいけない2人。
そしてどんどん不穏な空気が流れ始め、佐野先輩は背中しか見えないけど龍宮寺先輩のこめかみに青筋が浮かんでいるのが見えた。
「あん。テメーなんでココにいんだよ」
「あ?テメーこそなんでココにいんだ?」
「ヤベェぞ、ヤベェぞ」
「マイキー君、来ちゃった!」
ふと声がすると思い目線を上にあげれば、山岸と鈴木の姿があり佐野先輩を見ながら顔を青ざめさせている。
どうやら武道の見舞いに来たようだ。
「マイキー君!?それに和泉!!」
「武道…悪ぃ」
俺もまさかこうなると思わず佐野先輩を連れて来てしまった。
だがこれは多分、多分だが俺は悪くない…なんて現実逃避しながらそっぽを向く。
「え!?最悪のタイミングじゃん!」
「一触即発!?」
「あ…千堂とタクヤもいたのか」
「ちょっと和泉さん!?現実逃避してる!?」
よく分かったな、流石に幼馴染。
なんて思いながら、俺はそっぽを向いてから佐野先輩と龍宮寺先輩を見ないようにする。
面倒くさい事には巻き込まれたくない。
でも何とかしなければいけないんだよなぁ…どうしようかなぁと考えた。
「オレはタケミっちのお見舞いだよ」
「オレもそうだよ」
「は?タケミっちはオレのダチだし、オマエ関係ねぇじゃん。なぁ?タケミっち」
「へ?えっと…」
「あ?何言ってんの?オレのダチだよなぁ!?タケミっち」
「あぅ…えっと」
あー面倒くさい事になってきたぁ。
そう思いながら見ていれば、武道が助けを求めるような顔をして俺を見てきたが思わずそっぽを向いた。
「おーい、和泉。こっち来いよ」