The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第3章 8・3抗争
カラオケ店を出て、近くにあるファミレスへと4人で向かう。
夜になり、本格的に店が開き出す時間帯なので夕方より人が多く賑やかになっている。
「ファミレスで何食べようかなぁ。久しぶりなんだよね、晩御飯をファミレスで食べるの」
「そうなんだ」
「ねぇ、和泉。ファミレスでご飯食べる事減った?」
エマにそう聞かれて、思い返せば最近はファミレスで食事する事が減った。
三ツ谷先輩の家にお邪魔して晩御飯を食べるようになったからだろう。
「減った…な」
「そっか」
嬉しげにエマが微笑む理由は、俺が1人で食事をしていないからだろう。
何回も彼女には家に来てご飯食べようと誘われたけど、『ソコ』に足を踏み入れる事に俺は躊躇していたから…。
そんな事を考えながら、ファミレスが近くなった事に気が付いた時だ。
誰かに見られている……そう思い後ろを振り向いた瞬間目が合った。
(誰だ……アイツ)
俺を見ていたのは、眼鏡をかけた色黒の男。
年齢的に俺と同い年ぐらいに見えるが、目が合った瞬間その男はニヤッと笑ったのだ。
(なんだ……?)
目が合った瞬間浮かんだのは『気持ち悪い』という不快感と、何故か恐怖も浮かんだ。
この男は何か危険だと本能が警鐘を鳴らしている。
「和泉……?…和泉!!」
「っ…!?あ、…三ツ谷先輩」
「どうしたんだ?さっきから声掛けてるのに、反応はねぇし…」
「あ……いや、すみません」
声を掛けられていたのか。
気付かなかった…と思いながら、視線をさっきの男がいた方へと向ければもうその姿は無かった。
「和泉、大丈夫?体調悪い?」
「いや……大丈夫だ。心配かけてごめんな」
心配そうに眉を下げるエマの頭を撫でてやる。
だが、あの男本当に何者なのだろうか…本能的が危険だと警鐘を鳴らしていた。
それと…あの男何処かで見た覚えがある気がする。
何処でかは分からないが……そう考えていればトンっと眉間を押された。
「和泉。本当に大丈夫か?」
「……大丈夫です。少し、考え事してたので」
「なら良いけど…。和泉って考え事してると、直ぐ眉間に皺が寄る癖があるよな」
「そう、ですか?」
「自分じゃ、気づかねぇの?毎回考え事してると、眉間に皺寄ってるんだぞ」