The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第3章 8・3抗争
扉が開いたと思えば、エマが飛び出してきて胸で受け止めてからそう注意する。
だけどエマは聞いていないのか俺に抱きついたまま。
「えへへ。だって、久しぶりに和泉と遊びに行けるのが嬉しくって!」
「…そっか」
「ねぇ和泉。もしかして、またマイキーとドラケン言い争った?」
嬉しそうな表情から一変、不安そうな悲しそうな表情に変わり眉を下げた。
何か感じ取ったのだろうなと思いながら、エマの手を取りながら歩き出す。
「なんで、そう思った?」
「さっきマイキーが凄い不機嫌で帰ってきて、部屋に戻って行ったから…。また何かあったのかなって」
「……また言い争いしたんだってよ。で、龍宮寺先輩が憂さ晴らししたいからカラオケ行きたいって言い出して。エマ、誘って方が良いかなって」
「そっかぁ…。でもドラケン、喧嘩してる相手の妹に会って嫌とか思わないのかな」
「それは無いと思うけど?喧嘩してる相手は佐野先輩であって、エマじゃない。もしそんな事言うなら殴る」
俺の大切な幼馴染のエマ。
もしそんな事を龍宮寺先輩が言うならば、俺は容赦無く殴るし社会的に…コホン。
「アハハ!!ドラケン殴るの?」
「当たり前だろ。あの時は離れたけど…次はちゃんと守るって決めたんだから」
自分から離れて行った事を後悔している。
あの日、エマに声をかけずに去った事も全部全部後悔していた。
だから再開した時本当は泣きそうになった。
アレだけエマは俺の傍にいて支えてくれたのに、俺は支えること無く傍に居ることさえなかったから。
「和泉!」
「っ!!??」
パンっ!!と頬を両手で叩かれて目を見開く。
少しピリッとした痛みに、驚いていればエマは眉を少し吊り上げながら怒った表情をしていた。
「和泉。ウチ、気にしてないけど?」
「エマ…」
「こうしてまた会えてる事、ウチ凄い嬉しい。それにまた守ってくれるのも嬉しい」
「………ありがとう、エマ」
やっぱエマは強いし優しい。
この優しさと強さに幼い時も救われていたな…とエマの手を取り頬に擦り寄せた。
「ん?和泉、なんか海水の匂いがする」
「ああ…三ツ谷先輩と午前中に横浜行ってたから」
「デート?」
エマはニヤニヤしながらそう聞いてくるので、俺は彼女の額を弾いた。