The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第3章 8・3抗争
タンデムに乗ると、直ぐに三ツ谷先輩はインパルスを動かし潮風香るアスファルトの道をスピードを上げて進んでいく。
嫌な予感と共に進んでいく景色に眉間に皺を寄せた。
(絶交……。これじゃあ、嫌な未来に繋がるだろうな)
佐野先輩には龍宮寺先輩が必要だ。
あの人が居なくなったからこそ、佐野先輩は未来で闇堕ちして橘とオレが死ぬ事になった…。
「今まで、マイキーとドラケンが喧嘩する事は別に珍しくはなかったんだ」
「え?」
「でも、こんな事になることは1度もなかった」
声が何処か苦しげで、ミラーで見れば三ツ谷先輩は唇を噛み締めていた。
そんな表情になっても可笑しくはない…だって下手したら龍宮寺先輩が東京卍會から居なくなるかもしれないのだから。
「なんで、こうなっちまったんだろうな……」
その言葉に俺は何も言えなくて、ただ三ツ谷先輩の腰に強く抱きつくしかなかった。
この人の苦しみは少しは分かれるけど、どうにか出来るほどの力に俺にはない。
ただただ歯痒い気分になりながら、暫く頬で風を受け止めながら武蔵神社に到着した。
駐車場には龍宮寺先輩の愛機であるゼファーが停められている。
「奥にいるのか…」
「みたいですね……」
階段を登っていけば、龍宮寺先輩が不機嫌そうに顔を歪ませて座っていた。
その顔は人を殺したと言われても驚かない表情……。
「ドラケン!」
「ん、ああ…ホントに来たんだなぁ、三ツ谷。それにイズミっちも居るじゃねぇか。デートの邪魔して悪かったな」
「いや、デートじゃないんで……」
「ん?デートだったろ?」
「三ツ谷先輩っっ!!」
睨み付ければ、三ツ谷先輩は『悪ぃ、悪ぃ』と笑いながらも笑顔を直ぐに消してから龍宮寺先輩を見る。
そして少し溜息をついた。
「また、マイキーとやり合ったのかよ」
「手は出してねぇぞ」
「見りゃ分かる……」
「今回は引かねぇぞ……オレは。もうマイキーなんぞ知らねぇわ」
言い捨てるように言いながら、龍宮寺先輩は立ち上がると苛立ちを見せながら足元に落ちていた石を蹴った。
そして『あー』と言うと直ぐに溜息を零してから、俺と三ツ谷先輩を見る。
「なぁ、カラオケ行かねぇ?」
「「カラオケ?」」
「憂さ晴らししてぇんだよ。イライラが溜まりまくってるからさぁ」
「まぁ…良いけどよ」