The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第3章 8・3抗争
会計が終わると、三ツ谷先輩はさっさと外に出てしまったのでそれを追いかけた。
今度絶対に何処か行った時は割り勘にしてやると思いながら。
「ご馳走様でした」
「おう。ていうか、すげぇ不満そうに言うなぁ」
「次は割り勘ですからね」
不満げにそう言うと、三ツ谷先輩は面白げに笑っているものだから眉間に皺が寄った。
何がそんなに面白いんだよと思いながら、駐輪場へと向かっていく。
その道中生なるい風が頬を撫でた。
暑さにじわっと額に汗が浮かぶのが分かり、拭いながらバイクのエンジンをかけていた三ツ谷先輩が此方を見た。
「この後、何処行きたい?」
「何処に…ですか?」
「まだ時間はあるからな、折角だからまだ遊ぼうぜ。何処行きたい?」
俺にヘルメットを被せながら、三ツ谷先輩は少し顔を傾けてそう聞いてくる。
その瞳は物凄く優しく揺れていて、綺麗だなと思っていた時である……着信音が響いたのは。
「オレの携帯か……て、ドラケンじゃねぇか」
「龍宮寺先輩からですか?」
「おう…ちょっと出るな。もしもし?」
そういえば、龍宮寺先輩って佐野先輩とどうなったのだろうかと首を傾げる。
この前また言い争いになり、危うく周りの人間から死人が出るところだったものだ。
「はぁ!!??マイキーと絶交する!?」
「え……!?」
「いや、それじゃあ東卍はどーするんだよ!いや…もう知らねぇって……。今お前何処にいんだよ…?……武蔵神社な。今から行くからそこで待ってろ!!」
今、聞きたくない内容が聞こえた。
絶対という言葉と、東卍なんてもう知らないという言葉が脳内でグルグル回っている。
東京卍會でまだまともで、佐野先輩を何とかできるのにその人が絶対すると言っているのだ。
やばい、やばいと顔から熱が引いていくのが分かる。
「……み、三ツ谷先輩……。絶対って…」
「ドラケンの奴、またマイキーと言い争いしたってよ…。んで絶対するって…ちょっと止めなきゃやべぇわ。だから今から武蔵神社行くけど…和泉はどうする?」
「……着いていきます」
このままでは内部抗争になる未来も近い。
武道の為にも、橘の為にもそれは止めなければならないし…エマの為にも龍宮寺先輩の『死』を避けなければ。
「じゃあ…行くか。後ろ乗ってくれ」
「はい…。失礼します」