The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第3章 8・3抗争
ほんとにその通りである。
そのスレンダーな体で、なんでアレだけ食べれるのか不思議で不思議でたまらない。
胃袋どんな形してるんだろう。
なんて考えながら、他に何を頼むか青宗と話し合って飲茶等を適当に選んだ。
「そういえば和泉。東京卍會、内部抗争起きそうらしいな」
「……そういう情報はどこから入手してんだか」
「確か、マイキー派とドラケン派で別れてるってな。しかも東京卍會内で逮捕者が出てるし、いつ内部抗争起きても可笑しくない状態ってな」
ペロッと九井が唇を舐めていた。
その仕草がまるで舌をチロチロだして、獲物を見定めている蛇のよう。
「お前、内部抗争起きそうなのそれでも東京卍會いるのか?」
「お前には関係ないだろ」
「何がそこまでいいか分かんねぇな。あんな金にならなそうなガキのチーム」
「一つ違うだけだろ。あと、東京卍會にはお前より年上の人もいるし……金目的じゃねぇんだよ。こっちは」
静かに九井を睨み据える。
すると肩を上にあげて、到底理解でないと言わんげな目をしていたが無視を決め込む。
そんな中で隣にいる青宗は少しキョドキョドしている。
ホント普段口悪いし、直ぐに『殺す』なんて言っているクセにこういう所は子犬のようで可愛い。
「そういえば和泉」
「んー?」
「最近、秋哉くんとは会ったのか?」
「…ああ、丁度今日会ってきたよ」
「そっか…。元気そうか?」
「ん、元気そうだったよ。心配してくれありがとうな」
青宗と秋にぃは面識がある。
なんなら、青宗は何処か秋にぃに憧れを抱いていたようで結構懐いていた。
「お待たせしました」
「お、来た来た」
丁度話が途切れた所で、頼んでいた物が来た。
そしてテーブルに並べられていくのだが、もうテーブルは九井が頼んだ物で埋め尽くされていた。
「えげつない量だな、ココ」
「テーブル、お前が頼んだやつで埋まってるし」
「お前らも食べろよー」
「「おばけ胃袋…」」
ボソッと呟いた言葉が青宗とハモる。
だが九井はそんな事は気にせずに、箸を手にしてどれから食べようかなんて言いながら料理を見ていた。
見てるだけで腹一杯になりそう。
そう思いながら、頼んだフカヒレの天津麺にレンゲを入れてスープを掬って口にした。
「…ふーん。まぁ悪くないかな」