The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第3章 8・3抗争
「武道、パズルが趣味だもんな」
「へぇ、暗い趣味だな!」
「ちょっと三ツ谷くん!?」
クスクスと笑いながら、適当に床に座ってからビニール袋から小さなパフェ等を取り出す。
そして小さなスプーンで食べながら、咀嚼しながら三ツ谷先輩と武道の会話を聞く。
まだ会ってそんな日にちは経っていない。
だけど三ツ谷先輩がフレンドリーなのか知らないが、かなり馴染めている。
「そういえば、三ツ谷君と和泉って仲良いんすね!」
「あー。そうだな」
「女ってバレてるしな」
「………え!!??バレてんの!?」
「うん」
「ああ、そっか。タケミっち幼馴染だから、和泉が女の子って事知ってたんだよな」
そういえば武道に女ってバレた事言ってなかったけ。
なんて呑気に思いながら、武道は驚いた表情を浮かべながらも何処かホッとしていた。
「どうした?タケミっち」
「あ、いや。女ってバレてるのに和泉がこうして傍にいって事は三ツ谷くんの事信頼してるんだろうなぁーって」
「……そうなのか?」
「え、あ…」
「そうっスよ!女ってバレた時、信頼してない相手なら傍に居ませんよ。それに和泉は警戒心強いから、女とバレるような事はないよう注意してますしね」
確かにそうだ。
だが龍宮寺先輩にバレたのは不可抗力だった…警戒していたが完全にバレてしまったのだから。
流石、ファッションヘルスで暮らしているだけがある。
女より女を知ってそうだな…と勝手に思いながら、喉元を触った。
「そっか、信頼してくれてるんだな」
「……え」
三ツ谷先輩を見れば、何故か嬉しそうに笑っていた。
その表情に何故か胸がギュッと締まる感じがして、思わず首を傾げた。
そんな時にコンコンとノック音が響く。
「武道〜入るわよ」
「あ、母さん。うんいいよ」
「お邪魔するわね〜。羊羹があったからどうぞ、あとお茶もね」
「ありがとうございます」
「おばさんありがとっ、う!!??」
「あ!!」
おばさんが持ってきた羊羹に、俺と武道がピシリッと固まった。
一方三ツ谷先輩とおばさんは『どうした?』という表情であり、特に気になっていないようだ。
俺達固まった理由。
それはおばさんが持ってきたのは、俺の家つまり神澤家が制作している羊羹だからである。