The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第3章 8・3抗争
「ドラケン、これからオレ和泉と一緒にタケミっちの家に行くんだが一緒にくるか?」
「あー…今日は辞めとくわ。イズミっち、タケミっちに宜しくな。あと三ツ谷ぁー襲うなよ」
「誰が襲うか!!!」
相変わらず訳の分からない事を言う男だ。
ゆっくりと歩いていく後ろ姿を見送ってから、隣を見れば三ツ谷先輩が大きく溜息を零している。
「あー…タケミっちの家、行くか」
「はい。というか三ツ谷先輩、俺を襲いたいんですか?」
ニヤッと笑いながら揶揄うようにそう聞けば、三ツ谷先輩の瞳が大きく見開いた。
そして暫くしてから眉間に皺が寄っていくかと思えば、顔が一気に近づく。
「襲われても良いなら襲うぞ?」
「……へ」
シルバーパープルの瞳は真剣だった。
遊びや揶揄いなんで混じってなくて、その瞳に驚いてしまい瞳を見開かせていく。
するとアイスが太陽の暑さで溶けていき、ドロッと溢れて零れていき『あ!』と声が漏れた。
その時であった…腕を引っ張られたかと思うと、腕に垂れていたアイスを三ツ谷先輩がペロッと舐めたのは。
「え…」
「ん、モ〇王美味いな」
「な、何してるんですか!!??」
「何って、腕に垂れてたアイス舐めただけ」
しれっとそう言うと、三ツ谷先輩は舌を出してからまた俺の腕を舐め上げる。
アイスで冷えているが、体温で熱い舌が俺の腕に触れていくのにゾワッとした変な感覚が現れた。
「ちょ、み、三ツ谷先輩っ…!」
「甘いけど、汗の味で塩っぱいな。それに、和泉顔真っ赤」
「なっ」
揶揄うな口調で言いながら、三ツ谷先輩はまた俺の腕に舌を這わす。
這わすだけじゃなくて、ちゅっちゅぅと音を立てながらキスを落としてくるので慌てて腕を上げてから体をワナワナと震わせた。
「何するんですか!!??」
「何って、アイス舐めとっただけ」
「何で!?」
「和泉、オレを揶揄っただろ?そのお返しだ」
「馬鹿なんじゃないんですか!?人の腕舐めるとか、汚いんですよ!?水で口ゆすいでください!!」
「あ、気にするのそっちなんだな」
押し付けるように、レジ袋に入っていたペットボトルを押し付ける。
だけど三ツ谷先輩はそれを受け取らずに、何故かレジ袋をかっさらっていた。
「ちょ、三ツ谷先輩!?」
「ほら行こうぜ」