The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第3章 8・3抗争
あれから数日後。
ついに恐れた自体が発生してしまい、マイキー派とドラケン派に東京卍會は分裂した。
だが他の隊長達は何方にも入っていないようだ。
なんならけーすけ君とかは『くだらねぇ』と言っているし、三ツ谷先輩もそうである。
「まぁ、今東卍はそういう状態だな」
「そっか…」
「悪ぃ、武道。止められなくて」
「和泉が悪ぃわけじゃないだろ」
今現在俺は武道の家に来ていた。
あれから武道は退院したが、まだ安静というわけで部屋のベッドに座りながら眉間に皺を寄せている。
「それで、お前はなんで佐野先輩達に抗争を辞めるように言ったんだ?そう言ったって事は、未来で何か分かったんだろ」
「…未来で愛美愛主の総長の長内に会いに行ったんだ」
「長内に?」
「長内に話を聞けば、何でドラケン君が死んだか分かると思ってな。それで長内に会いに行った時、話を聞いたんだけど『愛美愛主との抗争はきっかけにすぎない』って」
「きっかけに過ぎない??」
どういう事だ。
なんで愛美愛主との抗争はきっかけに過ぎないんだと、眉間に皺が寄っていく。
そして武道は説明を始めた。
龍宮寺先輩を殺したのは愛美愛主ではないと長内が言っていたことや、誰かが裏で手を回して内部抗争を企んでいる事を。
「それが、誰なんだって事だな。火種として長内を利用して、佐野先輩と龍宮寺先輩を対立させようとしている奴は」
「それが分かんないんだよな…」
「…なんとか、佐野先輩と龍宮寺先輩が中を修復出来ないか試してみるわ」
「え、出来んの!?」
「分からない」
「わ、分かんないのかよ」
「でもやってみる価値はあるかなって思ってな」
まぁそれが出来るかホント分からないが。
でもやらなきゃ、龍宮寺先輩は死んでしまうわけだし。
なんて思いながら携帯で時間をみて、心がギュッとなり緊張が出てきた。
「俺、そろそろ行かなきゃな」
「あ、確か…会いに行くんだよな?」
「……緊張するけど」
「大丈夫だって。あの人は、お前を憎んでないんだしそんな気にする必要ないんじゃねぇの?」
「……うん。また来るな、武道」
「おう!」
武道の家を出て、大きく息を吐いてから太陽の暑い日差しの中を歩いていく。
ジリジリとした熱が肌を照らしていき、額にじんわりと汗が浮かんでいった。