The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第3章 8・3抗争
特に何もしていない。
何で急に冷めたというよりも、落ち着いてしまっのか謎であるし逆に驚く。
「…ドラケン。取り敢えず今日は解散だ…これじゃ話し合いも何も出来ねぇよ」
「……チッ。今日は解散だ!!」
「聞いたか!?今日は解散だ!!各自解散しろ!!」
龍宮寺先輩と三ツ谷先輩が解散と声をかけると、隊員達は困惑しながらも歩き出した。
その様子を見ながら眉間にグッと皺が寄っていく。
武道の言う通り、龍宮寺先輩と佐野先輩の喧嘩が勃発した。
恐らくこれが原因でマイキー派とドラケン派で別れて……内部抗争が起きるのだろう。
(止めれなかった…)
これじゃあ龍宮寺先輩の殺される未来が強くなった。
だがまさか、喧嘩の理由か林田先輩の逮捕に関していたとは。
「まさかあんな、喧嘩するとはな…」
「三ツ谷先輩…」
「ありがとうな、マイキー止めてくれて」
「いや、俺はなにも…」
「……そういえば、前にドラケンが言ってたんだよな。お前はマイキーのストッパーにもなれるって」
「ストッパー?」
よく分からない。
俺が佐野先輩を変えるとかストッパーとか…それにさっき俺は何もしていないのだ。
「俺は何もしていませんよ。それに、佐野先輩を変えたりストッパーにもなるとは思いませんけどね」
「だけど、さっき止めたじゃねぇか。何もしてないって言ってるけど、お前が声をかけなかったら止まらなかったと思うぞ」
あの時の佐野先輩の瞳。
驚いているのと、何処か寂しげのような悲しげな色が見えていた。
何故あんなに驚いていたのだろうか。
そう考えながらも、佐野先輩が去っていった場所に目線を移した。
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ー三人称ー
家に戻っていたマイキーは部屋のソファに寝転がっていたから顔の上に片腕を置いて瞳を閉じていた。
そして脳裏に浮かんでいたのは、ドラケンと掴み合いになりかけた時に肩を掴んできた和泉の姿。
だが脳裏に浮かんでいたのは和泉だけではなく、ある1人の女性もだ。
そして彼女に言われた言葉が再生される。
『いい加減にしなさい!万次郎!!』
『いい加減にしてください!佐野先輩!!』
マイキーの脳裏に浮かんでいたのは、和泉の亡き従姉妹である鳴海であった。
彼女の自分を叱ってくれたあの声が。
「鳴海……」